OpManager ナレッジベース

SNMPによるディスク使用率の値が実際の機器の使用率と異なる


状況

SNMPによるディスク使用率、パーティション監視の値が実際の機器のディスクドライブの使用率と異なる

原因と解決方法

ディスク使用率、パーティション監視においてそれぞれ以下の原因と解決方法が考えられます。

ディスク使用率の場合

以下2点をご確認ください。

1.OpManagerに設定されているハードディスクのボリューム値と、実際の値が異なる

詳細

OpManagerに設定されているハードディスクのボリューム値は、ディスク使用率の算出に使用されます。
この値は、機器側でハードディスクの増設等変更があったとしても動的に修正されないため、
装置の登録以降、機器側でハードディスクのボリュームが変更されたことによりディスク使用率の値が実際の値とは異なって表示されることがあります。
※この値は、装置概要ページ->[装置概要]欄->[ハードディスク領域(GB)]より確認可能です。

解決方法

装置概要ページ->[装置概要]欄->[ハードディスク領域(GB)]より、値が実際の容量と合っているか確認

○合っていない場合

装置概要ページ ->画面右上の [三](アクション) -> [装置を再ディスカバリー]より、
装置情報を更新し、ハードディスク領域(GB)と取得値が正常に表示されるか確認します。

○合っている場合

以下のナレッジをご参考の上、実際に監視対象機器から得られるディスクに関するOIDの値を確認します。

・ディスク使用率監視の仕様
https://www.manageengine.jp/support/kb/OpManager/?p=366

表示されている値と計算結果が同様の場合、SNMPでの取得状況は正常であるため、
対象装置を調査する必要がございます。

表示されている値と計算結果に齟齬がある場合(計算結果と実機の値が同様の場合)、
原因解析のため弊社サポートまでお問い合わせください。

2.対象のディスク容量がTB(テラバイト)規模である

対象のディスク容量がTB(テラバイト)規模である場合、SNMPの仕様により監視値を正常に取得できない可能性がございます。
詳細は下記のナレッジを参照してください。

・SNMPのディスク容量監視でTB(テラバイト)規模のディスクを監視できない
https://www.manageengine.jp/support/kb/OpManager/?p=6545

パーティション監視の場合

以下をご確認ください。

OpManagerに設定されている対象のOIDインデックス番号が、実際と異なる

詳細

監視対象機器側でハードディスクの交換や取り外し追加により、監視対象機器の持つOIDのインスタンスのインデックス情報や値が変化します。
しかし、OpManager側では装置の設定情報が動的に変更されないため、
機器側で変更された情報に対応せず、従来と同様の監視対象先のOIDを監視しようとします。
その結果、異なるドライブ(パーティション)を監視し、実際の機器のドライブ使用率と異なる値が表示されます。

解決方法

問題の発生しているパーティションの監視項目を削除・再追加し、監視項目の情報を更新します。

また、パーティションの情報も、上記ディスク使用率同様にOIDで確認できます。
hrStorageTable(.1.3.6.1.2.1.25.2.3)の出力例)

hrStorageIndex.1:-->1
hrStorageIndex.2:-->2
hrStorageIndex.3:-->3
hrStorageIndex.4:-->4
hrStorageIndex.5:-->5
hrStorageType.1:-->.iso.org.dod.internet.mgmt.mib-2.host.hrStorage.hrStorageTypes.hrStorageFixedDisk
hrStorageType.2:-->.iso.org.dod.internet.mgmt.mib-2.host.hrStorage.hrStorageTypes.hrStorageCompactDisc
hrStorageType.3:-->.iso.org.dod.internet.mgmt.mib-2.host.hrStorage.hrStorageTypes.hrStorageCompactDisc
hrStorageType.4:-->.iso.org.dod.internet.mgmt.mib-2.host.hrStorage.hrStorageTypes.hrStorageVirtualMemory
hrStorageType.5:-->.iso.org.dod.internet.mgmt.mib-2.host.hrStorage.hrStorageTypes.hrStorageRam
hrStorageDescr.1:-->C: Label:OS Serial Number 6c2feef2
hrStorageDescr.2:-->D:
hrStorageDescr.3:-->E:
hrStorageDescr.4:-->Virtual Memory
hrStorageDescr.5:-->Physical Memory
hrStorageAllocationUnits.1:-->4096
hrStorageAllocationUnits.2:-->0
hrStorageAllocationUnits.3:-->0
hrStorageAllocationUnits.4:-->65536
hrStorageAllocationUnits.5:-->65536
hrStorageSize.1:-->119111167
hrStorageSize.2:-->0
hrStorageSize.3:-->0
hrStorageSize.4:-->391878
hrStorageSize.5:-->195953
hrStorageUsed.1:-->73877210
hrStorageUsed.2:-->0
hrStorageUsed.3:-->0
hrStorageUsed.4:-->87898
hrStorageUsed.5:-->69502
hrStorageAllocationFailures.1:-->0
hrStorageAllocationFailures.2:-->0
hrStorageAllocationFailures.3:-->0
hrStorageAllocationFailures.4:-->0
hrStorageAllocationFailures.5:-->0

シリアル番号の確認

上記例では、CドライブがhrStorageFixedDiskであり、Cドライブのシリアル番号が以下の通りです。
hrStorageDescr.1:-->C: Label:OS Serial Number 6c2feef2

このシリアル番号が一致しているかどうかを確認し、
一致していない場合、監視対象機器側で情報が更新されていますので監視項目の削除再追加を行います。
監視対象機器側でシリアル番号を確認するには、端末上で以下のコマンドを実行します。

コマンド実行例と出力例)

Cドライブのパーティション使用率は以下の通り求められます。

上記OIDの結果より、インデックス番号1がCドライブであるため、hrStorageSize.1、hrStorageUsed.1に注目します。

hrStorageSize.1:-->119111167
hrStorageUsed.1:-->73877210

上記の値を1024*1024で単位を[GB]に変換します。

hrStorageSize.1:-->113.5932607650757

hrStorageUsed.1:-->70.45479774475098

上記を用いて、以下の計算を行います。

<hrStorageUsed.1>*100/<hrStorageSize.1>
70*100/113≒62(%)

装置上では以下の通りです。

(454-172)*100/454≒62(%)

 

注意事項

(1) デイスクドライブのhrStorageSizeを1024*1024で割った値(<hrStorageSize.1>)が (GB)の単位のドライブの合計サイズとなり、装置概要ページ->[装置概要]欄->[ハードディスク領域(GB)]に装置登録時に設定されます。

上記計算式では、ポーリングでhrStorageSizeの値を参照しているように捉えられますが、実際には装置登録時に設定されたハードディスク(GB)の値を<hrStorageSize.1>として用いています。

そのため、[ハードディスク(GB)]のフィールドの値が0となっていたり、誤った値が設定されている場合ディスク使用率の値も誤った値で表示される場合があります。
特に装置登録時、SNMPの認証が有効になっておらず、[ハードディスク(GB)]の値を取得できなかった場合やストレージを増設した場合、監視に影響する場合があります。その場合、装置概要ページ ->画面右上の [三](アクション) -> [装置を再ディスカバリー]を実行して[ハードディスク(GB)]の値を最新の値に更新します。

(2) 複数ハードディスクドライブが存在する場合、
すべてのデイスクドライブのhrStorageUsedの合計を1024*1024で割った値が合計ディスク使用量域[1]となり、
すべてのデイスクドライブのhrStorageSizeの合計を1024*1024で割った値[2]
合計ストレージサイズとなり、監視画面のスナップショットページの[装置情報] - [資産情報]ハードディスク(GB)[2]の値が装置登録時に設定されます。
計算式では、上記 注意事項1)と同様、[1]*100/[2]となりますが、[2]はリアルタイムで取得した値ではなく、装置概要ページ->[装置概要]欄->[ハードディスク領域(GB)]の値になります。
ディスク使用率の原因1同様、[ハードディスク領域(GB)]の値が過去のものであったり、正しくないものである場合、装置概要ページ ->画面右上の [三](アクション) -> [装置を再ディスカバリー]を実行して最新の値に更新します。

【対応リリース】 x.x

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