Syslogの基礎:Syslogの形式とフィールド

Syslogとは?

Syslogは、Linux/Unixやネットワークデバイス(スイッチ、ルーター、ファイアウォールなど)で生成されます。Syslogには、ネットワークセキュリティの強化やシステム運用上のトラブルシューティングに役立つ有益な情報が記録されるため、Syslogの収集・分析は極めて重要です。

この記事では、Syslogの構造や形式、Syslogの格納場所について解説します。

Syslogに含まれている内容

標準的なSyslogは、以下の3つの層で構成されています。

Syslogコンテンツ -ログ情報が含まれています。
Syslogアプリケーション - ログを生成・解釈し、Syslogサーバーに格納するアプリケーションです。
Syslogトランスポート - 端末、コンソール、ログバッファ、Syslogサーバーなど、さまざまな宛先にログを送信します。

PRI
HEADER
MSG

PRI - 優先度の値

SyslogのPRIセクションは、メッセージのFacility(ファシリティ)とSeverity(重大度)を表しています。RFC 3164に記載されているように、FacilityとSeverityは既定の数値にマッピングされています。Facilityは、ログを生成するコンポーネントやアプリケーションを表します。

コードFacility(ファシリティ)
0カーネルメッセージ
1ユーザーレベルメッセージ
2メールシステム
3システムデーモン
4セキュリティ/認証メッセージ
5syslogdによって内部で生成されたメッセージ
6ラインプリンターサブシステム
7ネットワークニュースサブシステム
8UUCPサブシステム
9クロックデーモン
10セキュリティ/認証メッセージ
11FTPデーモン
12NTPサブシステム
13ログ監査
14ログアラート
15クロックデーモン
16ローカル使用0
17ローカル使用1
18ローカル使用2
19ローカル使用3
20ローカル使用4
21ローカル使用5
22ローカル使用6
23ローカル使用7

Severity(重大度)コード:

コードSeverity(重大度)
0緊急
1アラート
2重大
3エラー
4警告
5通知
6情報
7デバッグ

PRIの値 = Facilityの値 × 8 + Severityの値

計算された値は、SyslogパケットのPRIセクション内で、<>(山括弧)で囲まれて表示されます。

HEADER(ヘッダー)

ヘッダー部分には、タイムスタンプと、ネットワークデバイスのIPアドレスまたはホスト名が含まれています。タイムスタンプは、デバイスでメッセージが生成された日付と時刻を示しています。タイムスタンプを確認する際の混乱を避けるために、すべてのネットワークデバイスで時刻を同期しておく必要があります。

MSG(メッセージ)

メッセージには、TAGとCONTENTが含まれています。TAGは、メッセージやログを生成するアプリケーションまたはプログラムを指しています。CONTENTは、生成されたメッセージを指しています。

Syslogの格納先

すべてのSyslogはvar/log/syslogまたはvar/log/messagesに格納されます。イベントの種類によって異なる場所に格納される場合もあります。たとえば、セキュリティイベントはvar/log/auth.logまたはvar/log/secureに、カーネルイベントはvar/log/kern.logに、MySQLイベントはvar/log/mysqlに格納されます。

Syslogを効率的に監視する方法

Syslogは、セキュリティ管理者がクリティカルイベント(認証の失敗や不審な構成変更など)を分析する際に役立ちます。Syslogには、「誰が、いつ、どこで、何をしたのか」という情報が含まれています。そのため、ロギングを有効にし、Syslogの一元管理と徹底的な分析を実施することが、ネットワークセキュリティ強化のために極めて重要です。

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