ネットワーク監視ツールとは?ネットワーク監視ツールを使用するメリット・デメリット

ネットワーク監視ツールとは、スイッチングハブ・ルーターなどの集線装置の他、ネットワークに接続されたサーバーやクライアント端末、ネットワークプリンターやファイアーウォール、UCSなどの機器を自動で監視し、稼働状況を把握できるようにするためのツール・ソフトウェアです。

ツールにより、ネットワーク機器のダウンやケーブルのリンクダウンなどの障害状態を検知して管理者に通知する機能を備えているものや、ネットワークの全体像を表や図などで可視化して一目で状況がわかるようにする機能を備えているツールも存在します。

ネットワーク監視にツールを導入することのメリットは、監視ツールはネットワークの状況を自動で定期的に収集するため、人の手で装置を確認したり、コマンドをその都度実行してデータ確認する必要がない点が挙げられます。ツールを用いると24時間365日、人的コストをかけることなく休まずネットワーク監視が可能になります。

一方でネットワーク監視ツールのデメリットは、ツールを導入する際の構築や設定に一定の工数が必要になる点です。また、有償ツールを検討する際に、ビジネス上で利益を生まない「監視」に対する理解が得られず、予算が取りづらい状況になる場合もあります。このページの後半では、費用帯効果の高い有償監視ツールも紹介していますので、有償ツールをご検討の場合はそちらもご覧ください。

 

監視ツールを選ぶときに見るべきポイント3選

ネットワーク監視ツールは世の中に多く存在しますが、それらのツールは特徴によりいくつかの種類に分類することができます。ネットワーク監視ツールの利用を検討する場合、監視したいネットワークの規模や対象と、ネットワーク監視ツールの特性の両方を考慮して検討することが望ましいでしょう。
ネットワーク監視ツールの分類とそれぞれの種類について解説します。

ネットワーク監視ツールの分類

 

見るべきポイント1:監視対象

ネットワーク上で監視ツールが監視の対象とするものを軸として分類した種類です。ネットワーク監視ツールで監視したいネットワークにどのような機器が含まれているか、どの範囲までを監視したいかを確認し、ツールの特徴と照らし合わせて最適なツールを選定しましょう。

ITシステム上で監視ツールが監視の対象とするものを軸として分類した種類です。

ネットワーク機器監視ツール

ネットワーク上のスイッチングハブ・ルーターなどの集線装置・ファイアウォール・ロードバランサーなどのネットワーク機器のアップ/ダウンや、各インターフェースなどの状態を確認するためのツールです。監視する対象がネットワーク機器の場合はこちらを選択します。
各ネットワーク機器ベンダー(メーカー)により、ベンダー機器専用の監視ツールが提供されている場合もあります。

サーバー監視ツール

サーバー監視ツールは、サーバーのアップ/ダウンの状態や、CPU使用率やメモリー使用率、ディスク使用率などのパフォーマンス、サーバー内で稼働するプロセスやサービスの状況などを主に監視するツールです。
ネットワーク上の機器のアップ/ダウン(死活情報)だけでなくサーバーのパフォーマンスが重要となる場合はサーバー監視ツールを選択しましょう。

トラフィック監視ツール

トラフィック監視ツールは、主にスイッチやルーターなどのインターフェースを監視し、通信の総量やどのようなパケットが流れているかを監視するツールです。
ネットワーク内の通信の分析や調査を実施したい場合はトラフィック監視ツールを検討しましょう。

統合型監視ツール

これまでにご紹介したサーバー監視・トラフィック監視などの機能を複数、またはすべてを1つのツール上から利用可能なツールが統合型監視ツールです。
ネットワーク内に様々な種類の監視対象が存在する場合、今後ネットワークが拡張予定である場合は統合型監視ツールを選択しましょう。

見るべきポイント2:監視方法

監視ツールが監視対象をどのように監視するかを軸として分類した種類です。導入工数や現在のネットワークの状態を考慮して選択しましょう。

エージェント型監視ツール

エージェントとは、監視対象機器から監視データを収集するための専用のアプリケーションです。監視ツール独自のエージェントを監視対象にインストールし、監視ツールとエージェント間で通信をおこなうことで監視をおこなうツールです。監視対象の情報をエージェントが収集しておき、定期的に監視ツールに送信する形式が一般的です。

監視対象が多い場合は、監視したい各機器にエージェントをインストールする必要があるため、より手間が掛かりやすい傾向にあります。

エージェントレス型監視ツール

監視ツール独自のエージェントを必要とせず、監視対象にあらかじめ備わっている機能や一般的なプロトコルを使用して監視をおこなうツールです。一般的には機器のアップ/ダウンの確認(死活監視)にはICMPプロトコル(Pingコマンド)、パフォーマンス情報の収集にはSNMPが使用されます。

エージェントレス型は監視ツールがあるサーバーと監視対象機器の間で監視プロトコル用のポートの開放やIPアドレスの許可などにより、通信を可能にしておく必要があります。

見るべきポイント3:価格

監視ツールを利用する際にかかるコストを軸として分類した種類です。

無料ツール

ソフトウェアのダウンロード、インストール、継続利用にコストが発生しない監視ツールです。
無料ツールの中にはソースコードが公開されたオープンソースソフトウェアなども存在し、機能を開発してカスタマイズすることが可能です。

有償ツール

有償の監視ツールは、ダウンロード、インストール、運用にコストが発生するツールです。
有償ツールは無料ツールに比べてコストが掛かる反面、比較的高機能であり、グラフィカルでわかりやすく利用難易度が低い傾向にあります。

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監視ツールの選び方は?パターン別おすすめ監視ツール

ここからは、どのような監視ツールを選んで利用するべきかを状況別に解説します。
前述の通り、監視ツールは世の中に多数存在し、その種類も様々です。ツールの選択を誤ると余計なコストが掛かったり、本来必要な監視ができなくなったりする場合があります。ネットワークの監視を最適化するためには、最適なツールを選択することが大切です。

監視対象機器が数台の小規模ネットワークの監視

監視対象が一種類で小規模なネットワークの監視には、無料ツールを選択して監視を始めるのがおすすめです。 無料ツールには一括設定などの便利な機能が提供されていない場合がありますが、数台のネットワーク機器の設定であれば、1つずつ設定しても手間はそれほどかかりません。

ネットワーク機器が数台だったとしても、その中にスイッチングハブ・ルーター・Windowsサーバー・Linuxサーバーなど、複数種類の監視対象が含まれる場合は、無料ツールでは複数種類の監視に対応しておらず、複数の監視ツールを使い分けなければならない場合があります。複数ツールの使い分けはネットワーク監視の難易度を上げる原因になります。複数種類の監視対象を監視する場合は統合型監視ツールを選択するのが望ましいでしょう。

また、ネットワークが今後拡張する予定がある場合には注意が必要です。 無償ツールから有償ツールへの移行が必要になった場合、設定やデータの移行に対応しておらず、再設定が必要になる可能性が高いと考えられます。ネットワーク拡張の予定がある場合には今後の拡張性を考慮し、無料ツールではなく有償ツールを選択しましょう。
有償ツールの中でも、少数台のネットワーク機器の監視であれば無料で利用可能なツールがあります。

監視対象機器が数十台~複数拠点にまたがる大規模ネットワークの監視

大規模ネットワークの監視の場合は、サポート体制や安定性、一括設定などの機能に優れた有償ツールを利用するのがおすすめです。また、大規模ネットワークの場合は監視対象に様々な種類の機器が含まれるケースが多いため、統合型監視ツールを選択すると良いでしょう。

有償ツールの中には、複数台のネットワーク機器を可視化してマップを作成する機能を持つツールがあります。 ネットワークが大規模になればなるほど管理や状況の把握が難しくなりますので、可視化マップ機能を利用して一目で状況を把握できる環境を構築することが重要です。

ネットワークの利用状況の監視

「ネットワークが遅い」、「いつも特定の時間帯に通信障害が発生する」などの問題が発生した場合には、トラフィック監視ツールを利用して通信量や通信内容を監視するのがおすすめです。

NetFlowやsflowといった機能に対応しているネットワーク機器を使用している場合はフローコレクターというトラフィック監視ツールを利用すると、「誰が・いつ・どこに当てた通信か」まで細かく把握できます。

 

小規模~大規模ネットワーク・トラフィック監視に対応する監視ツール

ManageEngineではエージェントレス型ネットワーク統合監視ツール「OpManager」を提供しています。 OpManagerは、さまざまなベンダーのスイッチ・ルーター等のネットワーク機器、物理サーバーやクラウドサーバーなどを管理・監視することができます。 ICMP(Ping)やSNMPやWMIなどのプロトコルを使った死活監視・パフォーマンス監視、可視化のためのマップ機能などもオプション課金なしにご利用いただけます。低価格で誰でも使えるユーザーインターフェースが特徴で、特別な知識や経験がなくてもすぐにネットワーク統合監視を始めることができます。

また、トラフィック監視ツールを統合しすべての機能を1つの画面上から使用することも可能です。無料でもご利用いただけますので、是非お気軽にお試しください。

ネットワークをわかりやすく可視化して異常を発見

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