管理しているWebサイトが重いと気になっている方も多いでしょう。このページではWebサイトを重くする要因から調査方法までご紹介します。
Webサイトが重いことによる悪影響とは
Webサイトが重くなる原因の前に、まずはその悪影響について解説します。Webサイトの表示に時間がかかると、一般的に以下のような問題があると指摘されています。
ユーザーが離脱する
Webサイトが重いと、ページが表示される前にユーザーが離れてしまう可能性が高くなります。
多くの企業の調査によって、表示速度が遅くなることにより直帰率が高くなることが明らかになっています。
調査では、3秒を過ぎると57%のユーザーがしびれを切らし、訪問を諦めることがわかった。
引用元:3秒が許容範囲 - Webサイトのパフォーマンスが重要な理由 | TECH+(テックプラス)
※筆者が翻訳表示速度が1秒から3秒に落ちると、直帰率は32%上昇する。 表示速度が1秒から5秒に落ちると、直帰率は90%上昇する。 表示速度が1秒から6秒に落ちると、直帰率は106%上昇する。 表示速度が1秒から10秒に落ちると、直帰率は123%上昇する。
引用元:New Industry Benchmarks for Mobile Page Speed - Think With Google
検索順位が落ちる
Webサイトの表示速度はGoogleでの検索順位に影響する可能性が指摘されています。
最近のニュースで言うと、Googleが2020年に発表した「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」があります。コアウェブバイタルとはGoogleがWebサイトの表示スピード改善のために作った指標で、「LCP(Largest Contentful Paint)」「FID(First Input Delay)」「CLS(Cumulative Layout Shift)」の3つから構成されます。
- Largest Contentful Paint (LCP):ページ表示速度を測る指標
- First Input Delay (FID):ユーザー応答性を測定する指標
- Cumulative Layout Shift (CLS):視覚安定性を測定する指標
この指標は2021年6月から検索順位を決める要因として導入されています。コンテンツの内容の方がより重要であるという注釈のもと、順位に影響することが示唆されています。
サービスの売上が落ちる
ECサイトなどの売上に直結するWebサイトの場合、ページが重いことによって売上が落ちてしまうかもしれません。
「ページ表示時間」「各ページの表示時間に対するセッションの分布」「直帰率」などを計測した結果、ページ表示時間と直帰率には相関関係があり、ページ表示時間が遅くなるにつれてコンバージョン率は下がることが判明した。
引用元:ECサイトの業績に関わる“1秒”の価値。ユーザーの期待に応える表示速度を | ネットショップ担当者フォーラム
Webサイトが重い要因4選
前述のようにWebサイトが重いと悪影響が大きいため、早期の改善が不可欠です。原因を切り分けて迅速に対応するために、ポイントをおさえておきましょう。Webサイトが重くなる要因は様々です。ここでは主な要因を4つご紹介します。
1.Webサイトの構成要素が重い
画像ファイルやJavaScriptファイルなど、Webサイトを構成する要素が大きいと表示に時間がかかります。
2.Webサイトのサーバーが重い
Webサイトが置かれているサーバーの負荷が高いと、Webサイトを表示するための処理のパフォーマンスが落ち、表示に時間がかかってしまいます。
3.ネットワークが遅い
サーバー自体に問題はなくても、ネットワークの通信速度に問題がある場合があります。
ユーザー側の環境やインターネットが問題の場合もありますが、自社のサーバー間の通信速度にも気を付けましょう。
4.クライアント端末の動作が遅い
ユーザー側のパソコンのスペックやパフォーマンスに問題がある場合もありえます。これについてはWebサイトの管理者側で対応できることではありませんが、ひとつの要因としておさえておきましょう。
Webサイトの速さを無料でチェックする方法
Webサイトが重くなる主な要因を把握したところで、次に実際にWebサイトが重い原因を調査しましょう。様々なツールでWebサイトの速さを確認できます。ここでは無料で利用できるツールを2つご紹介します。
PageSpeed Insights
PageSpeed Insightsとは無料で使えるWebサイトのパフォーマンス測定ツールで、Googleから提供されています。
URLを入力するだけで簡単にチェックできるシンプルな操作性が最大の特長で、多くのWebサイト管理者に利用されています。
GTmetrix
GTmetrixはカナダのGT.net社が提供するツールです。
こちらもURL入力だけで簡単に利用できるうえに、ページの読み込み速度を視覚化する「Speed Visualization」や、HTML・CSSなどの各処理にかかった時間をウォーターフォールチャートで表示してくれるなど、PageSpeed Insightsよりも多角的な分析が特徴です。
ただし、日本語での表示ができず、英語で分析結果が出てくるので注意が必要です。
Webサイトが重い原因が分かるツール
上記のツールでは速度を計測したり、CSSや画像の重さを確認できますが、サーバーの負荷などは確認することができません。
JavaScriptなどのWebサイト構成要素から、サーバーの負荷、ネットワークの通信時間まで計測できるツールがApplications Managerです。
Applications Managerはサーバー・アプリケーションのパフォーマンスを可視化するツールで、Webサイトが展開されているサーバ-本体・Webサーバー・アプリケーションサーバー・データベースサーバーなど、Webサイトに関わるすべての要素をまとめて監視できます。
Webサイトのパフォーマンス可視化について、さらに詳しく知りたい場合は以下のホワイトペーパーをご覧ください。