• Cisco機器の脆弱性とは?
  • Ciscoの代表的な脆弱性(CVE)
  • Cisco機器の脆弱性が問題になる理由
  • Cisco機器でよくあるセキュリティ事故
  • Cisco機器の脆弱性対策で重要な「管理体制」
  • Cisco機器の脆弱性管理に必要な3つの視点
  • Cisco機器の脆弱性管理を効率化する方法
  • Cisco脆弱性に関するよくある質問
  • まとめ

Cisco は世界中の企業や組織で利用されているネットワーク機器ベンダーの一つです。
ルーターやスイッチ、VPN装置など多くのネットワーク機器を提供しており、企業ネットワークの基盤として広く利用されています。

しかし、Cisco製品でもこれまで複数のセキュリティ脆弱性が報告されています。
脆弱性が悪用された場合、ネットワーク機器の乗っ取りや内部ネットワークへの侵入につながる可能性があります。

本記事では、Cisco機器の脆弱性の概要や代表的なCVE、想定されるリスク、対策方法について解説します。

Cisco機器の脆弱性とは?

Cisco機器の脆弱性とは、Cisco製品のソフトウェアや機能に存在するセキュリティ上の弱点のことを指します。
これらの脆弱性が悪用されると、攻撃者が機器へ不正アクセスしたり、ネットワーク設定を改ざんしたりする可能性があります。

Ciscoでは、製品のセキュリティ情報を
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)を通じて公開しています。

Cisco PSIRTでは次のような情報が提供されています。

  • 脆弱性の詳細
  • 影響を受ける製品
  • CVE番号
  • 回避策やアップデート情報

そのため、Cisco機器を運用している場合は、PSIRTで公開される脆弱性情報を継続的に確認することが重要です。

Ciscoの代表的な脆弱性(CVE)

CVEとは、Common Vulnerabilities and Exposuresの略で、
公開されたセキュリティ脆弱性に付与される識別番号です。
Cisco 製品では、これまでさまざまな脆弱性が公開されています。
ネットワーク機器の脆弱性は、攻撃者による不正アクセスや設定変更などにつながる可能性があるため、継続的な対策が重要です。

ここでは、Cisco機器で報告された代表的な脆弱性を紹介します。

Web管理インターフェースの認証回避(CVE-2023-20198

Cisco IOS XE のWeb管理インターフェースに存在した認証回避の脆弱性です。
この脆弱性を悪用されると、攻撃者が認証を行わずに機器へアクセスし、管理者アカウントを作成できる可能性があります。

CVSSスコアは10.0と非常に高く、実際にインターネット上での悪用も確認された重大な脆弱性です。

権限昇格によるroot権限取得(CVE-2023-20273)

こちらはCisco IOS XEにおける権限昇格の脆弱性です。
攻撃者がこの脆弱性を悪用すると、機器上で root 権限を取得できる可能性があります。

前述のCVE-2023-20198と組み合わせて悪用されるケースも指摘されています。

Smart Install 機能の不正アクセス(CVE-2018-0171

Cisco IOS および IOS XE の Smart Install 機能に存在した脆弱性です。Smart Install は、ネットワークスイッチの初期設定やイメージ配布を自動化するための機能です。

この脆弱性は、Smart Install の通信処理における パケットデータの検証不備に起因します。攻撃者が TCPポート4786 に細工された Smart Install メッセージを送信することで、機器に バッファオーバーフローを引き起こし、任意のコード実行や機器の再起動(DoS)などを発生させる可能性があります。

特に Smart Install クライアント機能が有効なスイッチが影響を受けるとされ、当時はインターネット上に公開されたままの機器も多く、スキャンや攻撃活動が確認された脆弱性として知られています。

Cisco機器の脆弱性が問題になる理由

Cisco機器の脆弱性が問題視される理由は、

  • ネットワークの重要な位置に設置される機器が多いこと
  • ネットワーク機器市場で世界トップクラスのシェアを持つこと

などがあげられます。

そのため、脆弱性が悪用された場合、次のようなリスクが発生する可能性があります。

  • 社内ネットワークへの侵入
  • 通信内容の盗聴
  • ネットワーク設定の改ざん
  • マルウェア感染の拡大

Cisco機器でよくあるセキュリティ事故

実際のインシデントでは、脆弱性そのものよりも運用上の問題によって被害が拡大するケースも少なくありません。

よくある例として、次のようなものがあります。

パッチ未適用

脆弱性情報が公開されていても、ソフトウェアアップデートが実施されていないケースです。

古いIOSの継続利用

古いバージョンのIOSを長期間利用している場合、既知の脆弱性が残ったままになる可能性があります。

コンフィグ変更履歴の未管理

設定変更の履歴が管理されていない場合、不正な設定変更に気づくのが遅れることがあります。

Cisco機器の脆弱性対策で重要な「管理体制」

脆弱性よりも怖い「管理不足」

ネットワーク機器のセキュリティでは、脆弱性そのものだけでなく管理体制の不足も大きなリスクになります。

例えば次のような課題です。

ネットワーク機器の資産管理不足

どの機器がどこに設置されているのか把握できていない。

設定変更の履歴が管理されていない

「誰が・いつ・どの設定」を変更したのかが分からず、トラブル発生時の原因特定や復旧に時間がかかる可能性がある。

影響範囲の特定が遅れる

問題が発生した際に、どの機器が影響を受けているのかすぐに特定できない。

Cisco機器の脆弱性管理に必要な3つの視点

Cisco機器の脆弱性対策では、次のような管理が重要になります。

バージョンの可視化

機器ごとのOSバージョンを把握する。

コンフィグのバックアップ

設定情報を定期的にバックアップする。

差分監視

設定変更を検知できるようにする。

Cisco機器の脆弱性管理を効率化する方法

ネットワーク機器が増えると、手作業での管理には限界があります。
そのため、ネットワーク機器の設定を一元管理できるコンフィグ管理ツールを導入する企業も増えています。

例えば「Network Configuration Manager」を利用することで、次のような管理が可能になります。

Network Configuration Managerを導入するメリット

  • コンフィグ変更の可視化
    誰が・いつ・どの設定を変更したのかを履歴として管理できます。
  • 障害発生時の迅速な復旧
    コンフィグのバックアップを利用して、問題発生前の設定へ迅速に戻すことが可能です。
  • ネットワーク運用の効率化
    機器情報や設定を一元管理することで、管理負荷の軽減につながります。

Network Configuration Managerで実現できる管理

  • ネットワーク機器のコンフィグを自動取得・一元管理
  • ネットワーク機器のファームウェアの脆弱性対策
  • 設定変更の履歴管理(誰がいつ変更したかの可視化)
  • 変更前後のコンフィグ差分比較
  • 障害発生時の迅速なコンフィグ復元
  • OSバージョンや機器情報の可視化
  • Cisco製品を含む複数ベンダー機器のコンフィグ情報の収集・管理

こうしたツールを活用することで、Cisco機器を含むネットワーク環境の運用管理を効率化し、脆弱性対応の迅速化や設定管理の強化につなげることができます。

Cisco脆弱性に関するよくある質問

Ciscoの脆弱性情報はどこで確認できますか?

Cisco PSIRTの公式サイトで確認できます。
https://tf-csirt.org/trusted-introducer/directory/teams/cisco-psirt/

また、脆弱性情報は次のようなデータベースでも確認できます。

これらの情報を定期的に確認することで、Cisco機器の脆弱性への早期対応が可能になります。

Cisco IOSのアップデートはどのくらいの頻度で行うべきですか?

新しいセキュリティアドバイザリが公開された際に確認し、必要に応じてアップデートすることが推奨されています。

Cisco機器の設定変更はどのように管理すればよいですか?

Cisco機器では、運用中にコンフィグの変更が行われることがあります。
設定変更の履歴が管理されていない場合、トラブル発生時に原因特定や復旧に時間がかかる可能性があります。

そのため、次のような管理が重要です。

  • コンフィグの定期バックアップ
  • 設定変更履歴の記録
  • 変更前後の差分確認

ネットワーク機器のコンフィグ管理ツール「Network Configuration Manager」を利用すると、設定変更の履歴や差分を自動で記録できるため、運用管理を効率化できます。また、脆弱性のあるCisco機器を素早く特定することにも役立ちます。

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まとめ

Cisco機器では、OSや管理インターフェースなどさまざまな箇所で脆弱性が報告されています。脆弱性情報はCisco PSIRTで公開されているため、定期的に確認し、必要に応じてアップデートを適用することが重要です。

また、ソフトウェアの脆弱性を完全にゼロにすることは難しいため、脆弱性の存在を前提とした運用体制を整えることも欠かせません。ネットワーク機器の資産管理や設定バックアップ、設定変更履歴の管理などを行い、問題発生時に影響範囲を迅速に把握できる状態を維持することが重要です。

特に、ルーターやファイアウォール、VPNゲートウェイなどのネットワーク機器は企業ネットワークの入口に配置されることが多く、侵入されると社内ネットワーク全体へ被害が拡大する可能性があります。そのため、脆弱性への迅速な対応と継続的な設定管理を行うことが、企業ネットワークを守るうえで重要です。

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