監視が不可欠!大規模ネットワークとは?
「大規模ネットワーク」といった場合、その規模に明確な定義が存在するわけではありません。たとえば、全国に支社・テナントがある企業・組織、あるいは世界各国に拠点がある企業などは、管理しているネットワーク機器やサーバーの数が数千を超えることがあります。このようなネットワークは大規模ネットワークと言ってもよいでしょう。
また、ネットワークが大きくなればなるほど、そのネットワークに依存しているユーザーの数は増えることは言うまでもありません。企業や公共機関の場合、そのネットワークが停止することがあっては大きな問題となります。万が一障害が発生した場合、大規模ネットワークの管理者は、小規模ネットワークと比較してより迅速な対応が求められます。
そのため多くの管理者がツールで大規模ネットワークの常時監視を実施しています。
大規模ネットワークでは欠かせないパフォーマンス監視
多数のシステムや通信経路が複雑に絡み合う大規模ネットワークでは、パフォーマンス監視の重要性が特に高まります。
大規模ネットワークではトラフィック量が多く、構成も複雑であるため、ネットワークの遅延や帯域の逼迫、パケットロスといった問題が発生しやすいです。また、問題の影響が広範囲に及ぶため、業務全体に深刻な支障をきたすリスクがあります。こうした大規模ネットワークにおいてパフォーマンス監視が行き届いていないと、以下のような課題が発生します。
- 障害の予兆を見落とし、検知が遅れる
- 問題が複雑化し、原因特定や復旧までに時間がかかる
- 問題の影響範囲が広く、サービス品質の低下や業務の停滞が起きる
- 将来的な問題の予測や対応策の立案が難しくなる
このような課題を解決するためには、単なる死活監視だけでなく、継続的なパフォーマンス監視を行い、早期対応できる体制を整えることが重要です。
将来に備えた柔軟な監視体制の重要性
単に監視を行うだけでなく、将来のネットワーク規模拡大を見据えた、柔軟な監視体制を設計することも重要です。
クラウド化の加速やリモート業務の常態化、IoT機器の導入拡大に伴い、組織のネットワーク環境が急速に拡大・複雑化しています。そのため、現在の規模に最適化された最小限の監視だけでは、組織の戦略やネットワーク拡張に順応できず、将来的に多くのを問題を招く恐れがあります。
拡張性に欠ける監視体制では監視能力が追いつかず、異常の見落としや設定ミスが発生し、パフォーマンス低下の発見やトラブル対応が遅れる恐れがあります。また、規模が拡大する度にシステムの追加・編成を行うことになり、余分な構築・管理コストが発生し、効率的な運用も難しくなります。
現在のネットワーク規模に関わらず、IT動向の急速な変化や組織の拡大に対応できるよう、スケーラブルな監視基盤を用意することが望ましいでしょう。
大規模ネットワークを簡単に監視するツール
OpManagerは、10,000デバイスの監視を短期間で実現するEnterprise Editionを提供しています。Enterprise Editionでは、セントラルサーバーとプローブサーバーを使用した分散構成を採用しています。Enterprise Editionを使用することにより、複数の拠点を遠隔地から監視することができます。
各拠点に配置されたプローブサーバーはその拠点のネットワークを監視します。プローブサーバーでは装置のディスカバリ、監視、マップ作成、障害管理などを行うことができ、重要な情報をセントラルサーバーに伝送します。セントラルサーバーでは各プローブサーバーから伝送されたデータを一括して把握することができます。
大規模ネットワークの監視イメージ主な特徴
Enterprise Edition による大規模ネットワークの統合監視ソリューションには、次の特長があります。
- セントラルサーバーとプローブサーバーによる分散構成により、10,000デバイスの監視が可能です。
- 各プローブサーバーが、セントラルサーバーの管理コンソールに遠隔地のネットワーク障害とパフォーマンス情報を通知し、まとめて管理することができます。
- 可用性が高く、データの完全性が保障されているため、信頼性の高い統合監視環境を構築することができます。
- あらゆる企業のネットワークに適用するために、安全で帯域の集中が少ない通信方法を採用しています。
- 複数の国に拠点を持つ、分散化されたネットワーク環境にも適しています
- 監視テンプレートやWindowsイベントログ、Syslog、SNMPトラップなどの基本的な監視項目の一括設定により、すばやく、容易に、各プローブサーバーを構築することができます。
- 1つの拠点や同じネットワーク上に複数のプローブサーバーを配置し、監視領域を分けることもできます。
導入効果
大規模ネットワーク向け統合監視ソリューションを導入することで、次の効果を期待できます。
- 複数拠点のITインフラを単一の監視コンソールで管理することにより、インシデントに素早く対応することができます。
- データセンターの規模縮小による運用コストの削減や短期間での投資の回収が期待できます。
- ITインフラの情報を集約して可視化する監視レポートを活用して、ネットワーク全体の状況に基づいた判断を下すことができます。たとえば、リソースの使用率の最適化、プライベート/パブリッククラウドへの移行、データセンターの統合などの検討に役立てることができます。