Cisco機器のネットワーク監視を始めるには?

Cisco機器で構築されたネットワーク環境を効率良く監視するには、Cisco機器のSNMPを有効化し、監視できるようにしておくことが大切です。

ここでは、Cisco機器のSNMPを有効化し、ネットワークを効率的に監視する方法をご紹介いたします。

 

Cisco機器のSNMP有効化方法

Cisco機器とネットワークを監視するための設定をご紹介します。

 

SNMP v1/v2c

グローバルコンフィグモードで「snmp-server community」コマンドを実行します。

#conf t    
(config)#snmp-server community <任意のコミュニティ名> <ro / rw> 

<任意のコミュニティ名>:SNMPで情報を取得する際の認証用の文字列です。合い言葉の役割を果たします。
<ro / rw>:roを指定した場合はSNMPマネージャに読み取りのみ、rwを指定した場合はSNMPマネージャに読み書きを許可します。

 

SNMP v3

1. グローバルコンフィグモードで「snmp-server view」コマンドを実行し、SNMPビューを作成します。SNMPビューでSNMPエージェントがCisco機器から取得できる情報を指定できます。
#conf t
(config)#snmp-server view <任意のビュー名> < OID > < include / exclude >

< OID > < include / exclude >:SNMPエージェントが取得できる機器の情報を設定します。この後のオプションをincludeにした場合は指定したOIDに紐付く情報のみの取得を許可し、excludeにした場合は指定したOIDの情報取得を拒否します。

2. SNMPグループを作成します。
(config)#snmp-server group <任意のグループ名> v3 < auth / noauth / priv > [ read <ビュー名> ] [ write <ビュー名> ] [ notify notifyview ] [ access <ACL番号> ]

read <ビュー名>:このSNMPグループが読み込みできるSNMPビューを指定します。
write <ビュー名>:このSNMPグループが書き込みできるSNMPビューを指定します。
access <ACL番号>:指定したACLの中のSNMPマネージャからの問い合わせのみ応答します。

​3. SNMPユーザーを作成します。
(config)# snmp-server user <ユーザー名> <グループ名> v3 [auth < md5 / sha > <パスワード>] [ priv < des / 3des / aes < 128 / 192 / 256 > > <パスワード>]

<ユーザー名>:任意のユーザー名を指定します。 
<グループ名>:手順2で設定したグループ名を入力します。
auth < md5 / sha > <パスワード>:認証方式でパスワードを指定します。 
priv < des / 3des / aes < 128 / 192 / 256 > > <パスワード>:暗号化方式とパスワードを指定します。

Cisco機器のネットワークで監視する項目

Cisco Catalystシリーズなどのスイッチ、Ciscoルーターなどのネットワーク機器の監視で監視しておくべき項目を紹介します。

  • CPU使用率 .1.3.6.1.4.1.9.2.1.58
  • メモリー使用率 (.1.3.6.1.4.1.9.9.48.1.1.1.5.1*100)/(.1.3.6.1.4.1.9.9.48.1.1.1.5.1+.1.3.6.1.4.1.9.9.48.1.1.1.6.1)
  • Cisco Temperature 1.3.6.1.4.1.9.9.13.1.3.1.3
  • バッファーヒット 等

Cisco機器に用意されているMIBはその他にも数多くありますので、ご利用の機器やネットワーク環境に合わせてご活用ください。

これらの項目をSNMPコマンドで取得することで、Cisco機器のネットワークを監視することが可能になります。

 

Cisco機器のネットワークをより手軽に実施する方法

Cisco機器のネットワークの稼働状況の確認目的でSNMPコマンドを用いた監視を行う場合、監視対象のCisco機器の台数が増加するにつれて、手動のコマンド実行による監視の負荷が増大していきます。

手動でのコマンド実行よりも効率的にCiscoネットワークを管理・監視するには、自動でCisco機器の死活監視やルーティング確認、パフォーマンス値を取得してデータ解析するツールを使用するのがお勧めです。

ManageEngineが提供する統合監視ツールである「OpManager」は、死活監視やSNMPを利用した機器の監視を実現し、Cisco機器のステータスが一目で分かるように可視化します。 Cisco社製の機器の他にも、様々なベンダーのサーバー監視、プリンター監視、ルーター監視、CPU監視、メモリ監視、アプリケーション監視、イベントログ監視機能などが、Webベースのわかりやすい画面で管理できます。

また、1600種類以上のCisco機器のテンプレートをご用意しており、ネットワーク監視の知識がない方でも簡単にネットワーク監視を開始できます。

Cisco機器のネットワーク監視の自動化・効率化の方法をお探しの場合は、是非「OpManager」の概要や機能詳細をご覧ください。

SNMPから取得したデータをわかりやすく可視化

ネットワーク機器から取得したデータをわかりやすく可視化