ハードウェアを効率的に監視するには？課題と解決方法

ハードウェア監視の必要性

昨今において、ビジネス上重要なアプリケーションやWebシステム、ECサイトなど、ネットワークを介してサービスが提供されることが多くなりました。何の兆候もなくサーバーに重大な問題が発生してサービスが停止することを防ぐため、サーバーやネットワーク機器などのハードウェアのステータスやパフォーマンスの状態を把握することが大切です。

ハードウェア監視とは

ハードウェア監視とは、ネットワークを構成するハードウェア機器と通信してデータを取得し、そのステータスを把握することです。

物理コンポーネント（電源・バッテリー・ファン・マザーボード・CPU・メモリー・ディスクなど）には、温度や電圧などのステータスの変化を検出して測定するハードウェアセンサーが内蔵されています。

ハードウェア監視では、センサーからの情報を収集してハードウェアステータスをネットワーク管理者が把握できるように可視化します。これにより、管理者は特定のハードウェア機器の状態や、関連するネットワークへの影響を素早く把握することが可能になります。

ハードウェア監視の課題

サービスやアプリケーションの可用性とパフォーマンスを維持するためにはハードウェアの監視が欠かせません。しかし、ハードウェア監視を始めるためには、多くの課題があります。主な課題は以下の通りです。

• ネットワーク内に様々なベンダー機器が存在する
• 分散したハードウェアリソース
• 監視業務への理解
• ネットワーク構成を把握することの難しさ

ネットワーク内に様々なベンダー機器が存在する

ネットワーク機器市場には多数のベンダーが存在しています。企業のネットワーク環境でも、複数のベンダーのネットワーク機器を使用してネットワークが構成されている場合があります。複数ベンダー機器が存在する環境でベンダー機器付属のネットワーク監視ツールを使用すると、複数の監視ツールを行き来する必要があり、ネットワーク全体が見えなくなってしまう可能性があります。ネットワーク全体の状態を正しく把握するには、マルチベンダーの機器を一元監視できる監視ツールを使用することが望ましいと言えます。

分散したハードウェアリソース

各地に拠点やデータセンターを構える企業の場合、各拠点のネットワークパフォーマンスを把握する必要があります。広範囲で巨大なネットワークを監視するには、ネットワーク機器を一覧表等のファイルで管理したり、コマンド実行でパフォーマンスを把握するのは非効率です。ハードウェアのパフォーマンスを可視化できる監視ツールを使用して、管理者は時間を掛けずに状況が把握できる状況にすることが望ましいと言えます。

監視業務への理解

調査によると、ネットワーク障害の50%以上がハードウェアの故障によって引き起こされていることがわかっています。自然災害が計画外の停止の約6%しか占めていないことを考えると、この数字は非常に大きいと言えます。これらのデータから、ハードウェアを監視することがいかに重要かがわかります。しかし、ビジネスにおいて利益を生み出さない監視業務は、軽視されやすくコストカットや人員削減の憂き目に遭いやすいのが現状です。このような現状においては、監視業務をコストと工数の面で効率化することが大切です。

ネットワーク構成を把握することの難しさ

企業ネットワークは機器の数が多く、ハードウェア監視を設定する際に手動で識別・追加・設定するのは時間がかかり、効率が悪いと言えます。また、ネットワーク機器の入れ替えや構成変更が発生すると、手動管理では詳細の更新が漏れやすく、最新のネットワーク構成が誰も分からない状況になってしまう可能性があります。これを防ぐためには、自動検出と設定機能を提供するハードウェア監視ツールを導入することが効果的です。

ハードウェア監視を効率化するツール

様々な課題があるハードウェア監視を効率良く実施し、アプリケーションやサービスの可用性とパフォーマンスを維持するには、前項の課題を解決できるハードウェア監視ツールを導入しましょう。

ManageEngineが提供するネットワーク統合監視ツールである「OpManager」は、ネットワークやサーバーのハードウェアを監視するソフトウェアです。ハードウェアの稼働状況を簡単に可視化し、障害が発生した場合はただちに管理者にお知らせします。また、OpManagerでは、ハードウェアのエラーが検出された場合にトラブルシューティングタスクを自動化することができます。

OpManagerで実現可能なハードウェア監視は次の通りです。

• リアルタイムのハードウェア監視
• マルチベンダーのハードウェア監視をサポート
• ハードウェアの問題/エラーを警告
• ハードウェアエラーの自動トラブルシューティング
• 分散ハードウェアの監視
• ハードウェアリソースの監視
• レポート

リアルタイムのハードウェア監視

サーバー、ルーター、スイッチ、ファイアウォール、VM、ストレージデバイスなどの監視対象ハードウェアの状態に関するリアルタイムの情報を取得します。取得したデータは、難しい設定の必要がなく表とグラフの形で表示されます。監視可能な主なハードウェアパフォーマンスは以下の通りです。

• 温度
• ファン速度
• 電源
• プロセッサのクロック速度
• バッテリー
• ディスクアレイ

マルチベンダーのハードウェア監視をサポート

OpManagerは、Dell、HP、Juniper、Cisco、Checkpoint等、様々なベンダーのハードウェアのステータスの監視に対応します。カスタムデバイステンプレートを使用して、他のデバイスのハードウェアを監視することもできます。

ハードウェアの問題やエラーを警告

障害が発生した場合、OpManagerはメールや音声で直ちに管理者にお知らせします。これにより、ハードウェア障害がネットワークサービスに影響を及ぼす前に問題を把握できます。

ハードウェアエラーの自動トラブルシューティング

OpManagerのITワークフロー機能で、定期的なメンテナンスとトラブルシューティングの一次対応を自動化することができます。機器のリセットやシャットダウン、データストアの更新、ハードウェアエラーが検出された場合のプロセスの終了などを自動的に行うように設定することができます。

分散ハードウェアの監視

OpManager Enterprise Editionを使用し、単一のコンソールから複数の場所にまたがるネットワークのハードウェアリソースを監視することができます。ビジネスがグローバル規模で運営されており、異なる地域にデータセンターがある場合、OpManager Enterprise Editionの分散構成で本社のネットワークオペレーションセンター (NOC) からネットワークハードウェアを監視することができます。

ハードウェアリソースの監視

OpManagerは、温度やファンの回転数の他、CPU、メモリー、ディスクなどのハードウェアの監視も可能です。ネットワーク機器を多角的な視点から監視することで、ハードウェアの異常を素早く特定することが可能になります。

レポート

レポートでは、監視するハードウェアパラメータ（温度・ファンの速度・電源・クロック速度・ディスクアレイなど）を選択して、時系列で一覧表を作成できます。パフォーマンス、アップタイム、可用性のデータを分析できます。

レポート

関連機能

• サーバー監視機能
  SNMPトラップを監視する機能について紹介しています。
• アラート・通知機能
  ネットワークの障害管理を簡単に実現する方法を紹介しています。
• レポート機能
  ネットワークパフォーマンスを簡単に可視化する方法を紹介しています。