外形監視とは?普通の監視とは何が違う?
外形監視とは、WebサイトやWebアプリケーションを、Webサーバー等が配置されているネットワークの外からユーザーと同様の方法でアクセスして監視することです。
通常の監視方法よりもユーザーが体感するWebサイトのパフォーマンスを計測することが可能です。
これまでの一般的なWebサイトやWebアプリケーションの監視と言えば、以下のような手法が一般的でした。
- URLへHTTPアクセスを行ってその応答時間や応答コードを調べる
- Webサイトを構成するWebサーバーやサーバー、データベースなどのミドルウェアのパフォーマンスをそれぞれ監視する
カンタンに外形監視を実現するツールを解説
このような手法は現在においても有効な監視手段の1つです。
しかし、実際のWebサイトのパフォーマンスと照らし合わせてみると、従来の監視での監視結果とユーザーが体感するパフォーマンスに差があるケースがありました。
この差が生まれてしまう原因としては、実際のユーザーがWebサイトにアクセスする際には従来の監視対象となっている要素よりも広範囲にわたる要素が絡み合ってWebサイトのパフォーマンスとなっているためです。
具体的に挙げると、ユーザーがWebサイトにアクセスするまでのクライアント端末自体のパフォーマンス、ユーザーがWebサイトへアクセスするのに使用するネットワークのパフォーマンス、Webサーバーとデータベースサーバー間のネットワークのパフォーマンスなどです。
いかなる時でもインターネットさえあればWebサイトにアクセスできることが当たり前となった昨今、Webサイトを素早く表示してサービスをどれだけ快適に使用できるかが、ユーザーを継続的にサイトにつなぎ留めるための重要な要素となります。
図1. Webサイト・Webアプリケーション監視における従来の監視方法と外形監視の違い※なお、上記で説明した監視方法は日本国内では「外形監視」という呼称が広く使用されていますが、このような監視は英語で「Synthetic Monitoring 」と呼ばれ、それを直訳した「合成監視」「合成モニタリング」という名称で呼ばれることもあります。古典的な監視方法のようにコマンドを打ってその応答を機械的に読み取るのと異なり、ユーザー体感という感覚的な点から監視データを生み出すイメージのため「Synthetic(合成)」という用語が使用されたと言われています。
なぜ外形監視が重要なのか
外形監視が重要視されているのは、Webサービスの複雑化やユーザー体験への影響が大きくなっているためです。ここではその背景を3つの観点から解説します。
Webサービスの複雑化
現代のWebサービスはCDN・サードパーティAPI・マイクロサービスなど多数の外部コンポーネントで構成されています。自社サーバーが正常でも外部コンポーネントの遅延がユーザー体感の遅さにつながるため、外部から実際のアクセスを再現して測定する外形監視が重要になります。
Core Web VitalsのSEOへの影響
Googleは表示速度やユーザー体験に関わるCore Web Vitalsを検索順位の評価指標に採用しています。外形監視で表示速度や応答時間の変化を継続的に把握することが、SEOの観点からも重要になっています。
ビジネスへの直接的なインパクト
Aberdeen社の調査では、ページ表示が1秒遅れるだけで コンバージョンが7%低下、顧客満足度は16%低下すると報告されています。 ECサイト・金融・SaaSなど売上がWebに直結するビジネスでは、 外形監視による早期検知が損失を最小化する最初の防衛線となります。
外形監視の仕組み
前項で述べたとおり、外形監視はWebサイトに一般のユーザ-と同じようにアクセスしてWebサイトのパフォーマンスを計測する監視方法です。
このため、Webサイトにアクセスする一般ユーザーにより近いデータを計測するためには、Webサイトが配置されているネットワークの外からインターネットを介してアクセスする必要があります。
監視ツールでこれを実現する場合は、Webサイトのネットワークとは別の場所に監視ツールを配置し、監視したいWebサイトにアクセスする仕組みにする必要があります。
また、ユーザーと同様のパフォーマンスを計測するためには、従来のWebサイト監視のようにページのファイル1つを監視するのではなく、アクセスしたページで必要な全てのスクリプト・画像ファイル・CSSファイル等を読み込んで実行するのに掛かった時間を計測することが必要です。
これまでに挙げた項目をまとめると、外形監視では以下のような仕組みを実現することが理想と言えます。
図2. 外形監視の流れと取得する主な監視データ外形監視を実現するツール2選
ここからは、これまでにご紹介した外形監視を手軽に実現できる監視ツールを2つご紹介します。
オンプレミス型監視ソフト
ManageEngineのアプリケーションパフォーマンス管理ソフトウェア(APMツール)である「Applications Manager」は、外形監視を簡単に実現できるツールです。指定したWebサイトに実際にブラウザーを使用してアクセスし、ユーザーと同じようにサイトを表示してパフォーマンスを計測します。
また、文字入力やクリックなどの動作シミュレーションにも対応していますので、Webサイトのユーザーが頻繁に使用するログインや、ECサイトで重要な決済プロセスなども監視することが可能です。
外形監視の他、ネットワークやサーバー・Webサーバー・データベースなど、Webサイトに関わるすべての要素を細かく監視可能な他、障害管理や予兆検知、データ解析も実現します。
WebサイトやWebサービスの外形監視をご検討の際には、是非Applications Managerをお試しください。
SaaS型監視ツール
SaaS型監視ツールの「Site24x7」も外形監視を簡単に実現できるツールです。クラウドサービスのため、国内3都市、全世界100以上の地域からエンドユーザーが体感するレスポンスを可視化できます。わかりやすい管理画面で、誰でも簡単に、今から5分で始められます。
また、外形監視の他、クラウドからネットワーク監視・サーバー監視・APMまでサポートします。必要な監視機能を必要な分だけ使うことができる上、フリープランも提供されているので気軽に始められるのが特徴です。
情報入力不要でツールの使用感を確認できる体験サイトも提供しております。実際に操作いただくことも可能です。※一部制限あり
外形監視に関するよくある質問
外形監視とURL監視は何が違いますか?
URL監視はサーバーが「応答しているか否か」をHTTPステータスコードで確認する手法です。 一方、外形監視は実際のブラウザーを使ってページ全体(画像・CSS・JavaScriptを含む)を読み込み、ユーザーが体感する表示速度や操作の成否まで計測します。サーバーが正常稼働していても外形監視で問題が検出されるケースがあるのはこのためです。
ログインや決済など複数ステップの操作も監視できますか?
はい。Applications Managerはブラウザーシナリオの記録に対応しており、ログイン・商品検索・カート追加・決済完了までの一連のフローを自動で繰り返し監視できます。ECサイトや会員制サービスに特に有効です。
外形監視ツールはSaaS型とオンプレ型どちらを選べばよいですか?
一般的にはSaaS型が手軽でおすすめです。一方、社内向けWebアプリの監視やセキュリティ要件が厳しい環境ではオンプレミス型が適しています。ManageEngineでは両方を提供しており、用途に応じて選択できます。
無料で外形監視を試すことはできますか?
Applications Managerは30日間の無料トライアルを提供しています。またSite24x7はフリープランが用意されており、 クレジットカード登録不要でお試しいただけます。