株式会社テレビ朝日 様

テレビ朝日では、2011年4月連結子会社を含む16社で会計システムの刷新に合わせ、「ManageEngine ServiceDesk Plus(マネージエンジン サービスデスクプラス、以下、ServiceDesk Plus)」を導入した。大規模なグループ企業にServiceDesk Plusはどのように貢献できるのだろうか。導入の狙いや効果を聞いた。
株式会社テレビ朝日様のプロフィール
株式会社テレビ朝日は、2014年2月1日には開局55周年を迎えることから2013年2月1日~2014年3月31日をキャンペーン期間に、多彩な特別番組やイベントを展開している。「好調な視聴率を維持するためにも、当社はもちろんグループ一丸となって盛り上がっています」と、テレビ朝日技術局システム開発部マネージャー遠藤修二氏は強調する。
連携会計システム導入がインシデント管理の見直しに
日本では会計ビッグバンが叫ばれ、この10年ほど多くの企業が法改正への対応に追われた。テレビ朝日も2000年に海外製ERPパッケージによる会計システムを完成させた後、上場を機に連結会計が求められるようになった。技術局システム開発部 マネージャー 遠藤氏は会計システム刷新の経緯を語る。
連結は手作業も含め、ずいぶん複雑な処理になっていました。国際会計基準IFRSの導入も視野に入っていましたので、2008年から連結対応の会計システムの構築プロジェクトを発足し、3年後に本番稼働を開始しました
新会計システムの導入により、グループ会社16社のインシデント管理方法の見直しが行われることになった。
新会計システム導入前のインシデント管理状況
- それぞれのグループ会社で異なる経理システムを利用
- Excel台帳によるインシデント管理
- グループ会社ごとに異なるインシデントの性質
- グループ会社間のナレッジの蓄積や共有が困難
連結会計システム導入を機にサービスデスクツールを検討
新会計システムの導入に伴い、「個々の会社でインシデントを管理するより、全社共通のサービスデスク基盤の構築が効率的」と判断し、管理の効率化と情報共有を目的に、下記要件でサービスデスクツールを探すことになった。
ユーザーフレンドリな操作性
-レポート作成の簡易性
-ナレッジ展開の容易性
低価格な価格体系
ITIL準拠の機能
製品比較サイトで見つけたServiceDesk Plus
選定期間は2010年1月から5月まで。ServiceDesk Plusは製品比較サイトで見つけ、試用版をダウンロードして操作性などを確認した。
ServiceDesk Plusの印象
- 画面構成がとてもわかりやすい
- フィルタ機能やリクエストテンプレートなど入力/一覧画面のカスタマイズが柔軟
- 試用版でもオプションを含めたすべての機能を試せる
- サポート担当者から利用方法の提案も含めた適切なアドバイスを得られる
- 年ごとに契約を更新する年間ライセンス制度で初期投資を抑えられる
- 年間ライセンス購入後に、ソフトウェアを買い切る通常ライセンスに移行できる
他に大手ベンダーのツールも2製品が候補にあがったが、1つは価格の面で折り合いがつかず、残る1つは操作性に難があったため、ServiceDesk Plusの導入が決まった。
5日で完了した導入作業
2010年5月から2か月で環境を構築し、導入作業自体は5日間で終了した。「ほとんどトラブルもなく、導入作業はスケジュールどおり終了したと聞いています」(遠藤氏)。その後、運用試験を経て、2011年4月の会計システムと同時にサービスを開始できた。
約4000人のユーザーに30人ほどで対応
テレビ朝日では、システム全体のサービスを提供するコールセンターを備えており、ここに4000名ほどが問い合わせてくる。その他グループ各社も含め連結会計システム担当のITベンダーに直接問い合わせてくる社員が140人ほどいる。これらの社員に対し、サービスデスク担当者、経理部員、ITベンダーなどが30人程度で対応している
問い合わせ管理
問い合わせ方法も様々で、コールセンターへの問い合わせは電話で来るケースがほとんど。ITベンダーへの問い合わせはメールが多いが、すべてServiceDesk Plusに記録している。
レポート機能
毎週レポートを出力して、全体の件数やどの部門からどのような問い合わせが多くあるかなどの報告会議を行っている。「レポートは、連結会計システムの開発と運用を依頼しているITベンダーの作業負荷の確認にも利用しています」(遠藤氏)。
ソリューション機能
ソリューション機能は改修や設定の変更の記録に利用している。誰がどの理由でいつ設定を変更したか残しているという。
ServiceDesk Plusではいつ誰が問い合わせを受け、いつどのような返事をしたかがタイムスタンプで記録されるので、対応の可視化ができていると感じる、と技術局システム開発部 小川歩美氏は語る。
委託先ITベンダーと電話などでインシデントに関して会話する際に、同一の画面を見ながらコミュニケーションを図れるようになりました。背景や状況についての説明が不要となった結果、問題解決がスピーディになりました
ITベンダーからも好評なServiceDesk Plus
最後に外部ITベンダーにサービスデスク業務を委託している企業ならではの、ServiceDesk Plusの評価を遠藤氏に伺った。
ユーザー単位でカラム項目とソート順が設定できる点や、カスタムビューで自分に関するインシデントのみを抽出できる点が便利です。担当者1人ひとりが使いやすい画面に変更できるので、これはサービスデスクをお願いしている委託先ITベンダーの方からも好評です
遠藤様、小川様、貴重なお話ありがとうございました。