SLA設定からエスカレーションまで。インシデント管理の品質を高めるServiceDesk Plus
ユーザー満足度を高めるインシデント管理の鍵となるのが、SLA(サービスレベル契約)の存在です。SLAを味方につけることで、インシデント対応はもっと速く、もっと確実になります。
SLAは「応答時間」や「解決時間」といったITサービス対応の基準を明文化し、サービス提供者と利用者の間で期待値を共有する役割を担います。インシデント管理にSLAを適切に取り入れることで、対応の優先順位を明確化し、限られたリソースの中でも迅速なトラブルシューティングが可能になります。結果として、ユーザーの不安を軽減し、サービス品質を維持・向上させることができます。
インシデント管理に効果的なSLAコンプライアンスの設定と追跡
インシデント対応が遅れる原因はさまざまですが、その要因として以下のケースが考えられます。
- インシデントの優先度設定が曖昧で、緊急度の高い案件を後回しにしてしまう。
- 担当者のアサインが遅れ、対応の初動に時間がかかる。
- 対応フローが属人的で、標準化されておらず、対応スピードにばらつきがある。
そして特に見落とされがちなのが、
- SLA(サービスレベル契約)が適切に設定・管理されていないことです。
SLAは、インシデントに対する「応答時間」「解決時間」といった明確な対応目標を定め、組織全体で“何をいつまでにすべきか”を共有するための基盤です。
このSLAがうまく運用されていない場合、重大なインシデントが放置されたり、対応遅延が慢性化するリスクが高まります。
効率的なインシデント管理を実現するには、SLAを適切に設定し、それに基づいたリアルタイムの追跡・可視化・エスカレーションの仕組みを構築することが不可欠です。
SLAターゲット(応答・解決時間など)の設定方法
SLAターゲットとは、SLAで定める目標値(基準・目安)を指します。インシデント管理におけるSLAターゲットには以下の目標値があります。自社の状況に合わせて、それぞれの目標値を設定します。
- 初回応答時間(Response Time):インシデントに対して、最初の対応を開始するまでの時間
例:「優先度:高」の場合は30分以内に応答 - 解決時間(Resolution Time):インシデントが発生してから完全に解決されるまでの時間
例:「優先度:中」の場合は24時間以内に解決 - 稼働時間ベースのSLA計測(稼働時間帯に応じたカウント)
例:営業日・営業時間内のみカウントするなど
ServiceDesk Plusでは、このように複雑なSLAを自動化できる機能が備わっています。あらかじめ定義されたルールに基づいて、インシデントに対し適切なSLAを自動的に割り当てます。
たとえば、影響範囲の広い重大インシデントが発生した場合には、「高優先度のSLA」が即座に適用され、対応チームへの通知やエスカレーションが迅速に行われます。一方で、パスワードの初期化など、ユーザーへの日常的なサービスリクエストに対しては、「標準的な応答・提供時間」をSLAで設定できます。
このように、ServiceDesk PlusのSLA自動適用機能を活用すれば、突発的なトラブルと定型的な依頼のどちらにおいても、対応品質とユーザー満足度を高いレベルで維持できます。
>>SLAの設定を自動化してサービスデスク業務を効率化する方法
インシデント対応を可視化・分析し、SLA遵守を支援する追跡・レポート機能
ServiceDesk Plusは、リアルタイムの進捗確認からSLA違反の検知、原因分析までを一元的に行える追跡・レポート機能を提供しています。これによりインシデント管理の効率化に必要な、対応状況やSLA達成率を正確に把握することができます。
ServiceDesk PlusのSLA追跡機能の主な特長
進捗をダッシュボードで可視化
対応の進行状況をリアルタイムで確認でき、アサイン漏れや遅延をすばやく検知できます。
過去データの分析とボトルネック特定
インシデント対応時間をもとに、業務の滞留ポイントを把握し、最適化のヒントを得られます。
SLA違反アラートとレポート
対応が期限を超過しそうな際には自動通知で即対応を促し、違反後も原因を明確に記録します。
SLA遵守率の可視化と改善支援
達成率を数値で把握でき、未達時の原因分析から改善アクションの検討までをスムーズに行えます。
未解決インシデントの自動エスカレーション
対応が遅れたインシデントは、組織全体の業務に深刻な影響を与える可能性があります。そこで有効なのが、インシデント対応の遅延や放置を防ぐ「自動エスカレーション機能」です。ServiceDesk Plusなら、SLAに基づいて適切なタイミングで自動通知を行い、重大なインシデントを確実に早期対応へと導きます。
ServiceDesk Plusの自動エスカレーション機能の主な特長
対応時間の超過を自動検知し、上位者へ通知
SLAで定めた時間を過ぎたタイミングで、チームリーダーや管理者に自動でアラートを送信可能です。
優先度や経過時間に応じた柔軟な条件設定
「優先度が高く、3時間未対応」など、具体的な条件に合わせてエスカレーションルールを構築できます。
段階的なエスカレーションの自動化
一次担当者 → リーダー → 管理者 と、通知先を段階的に設定することで、より確実なフォロー体制を実現します。
重大インシデントの早期対応とSLA違反の抑止
対応遅延を未然に察知し、サービスレベルの維持・向上につなげます。
SLAは、単なる運用ルールではなく、インシデント対応の精度とスピードを左右する重要な基盤です。ServiceDesk Plusなら、複雑なSLA設定や対応状況の見える化、違反時の自動エスカレーションまでを一元化でき、属人的な対応を脱し、組織全体での品質向上を支援します。
自社のSLA管理を本格的に見直したい方は、ぜひ一度、ServiceDesk Plusの実力を体験してみてください。