監視ツールとは?監視ツールを使用するメリット・デメリット

監視ツールとは、一般的にはネットワーク・サーバー・アプリケーションなどのITシステムを自動で監視し、システムの稼働状況を把握できるようにするためのツール・ソフトウェアのことを指します。

ツールによっては、サーバーダウンやネットワーク断絶などの障害状態や、通常と異なる挙動をした際に検知して管理者に通知する機能を備えているものや、システムの稼働状況を図やグラフなどで可視化して一目で状況がわかるようにする機能を備えているものも存在します。

監視ツールを用いることのメリットとしては、監視ツールはITシステムの状況を自動で定期的に収集するため、人の手でコマンドをその都度実行する必要がない点が挙げられます。ツールを用いると24時間365日休まずITシステムを監視するための人的コストも掛かりません。

一方で監視ツールのデメリットとしては、ツールを導入する際の構築や設定に時間が掛かったり、ツールの使用方法を理解するまでに比較的時間が掛かったりなど、導入時の手間が挙げられます。 また、監視ツールにパッケージソフトウェアを選択する場合、製品によっては企業独自の監視項目や設定などのカスタマイズがしにくい場合がある点も考慮する必要があります。

 

監視ツールの種類

ITシステムの監視ツールは世の中に多く存在しますが、それらのツールはいくつかの種類に分類することができます。監視ツールの分類とそれぞれの種類について解説します。

監視する対象による分類

ITシステム上で監視ツールが監視の対象とするものを軸として分類した種類です。

死活監視ツール

ネットワーク上の機器が起動しているかダウンしているかなどを確認するためのツールです。

サーバー監視ツール

サーバー監視ツールは、サーバーのアップ/ダウンの状態や、CPU使用率やメモリー使用率、ディスク使用率などのパフォーマンス、サーバー内で稼働するプロセスやサービスの状況などを主に監視するツールです。

トラフィック監視ツール

トラフィック監視ツールは、主にスイッチやルーターなどのインターフェースを監視し、通信の総量やどのようなパケットが流れているかを監視するツールです。

アプリケーション監視ツール

Webアプリケーション(Webサーバー上で動作するアプリケーション。クラウド型のメールサービスやYoutube等が該当)などの本体となるサーバーを監視し、サービスの核となるWebサーバー、アプリケーションサーバー、プログラムやデータベースなどの稼働状況やパフォーマンスを主に監視するツールです。

統合型監視ツール

これまでにご紹介したサーバー監視・トラフィック監視・アプリケーション監視などの機能を複数、またはすべてを1つのツール上から利用可能なツールが統合型監視ツールです。

監視方法による分類

監視ツールが、監視対象をどのように監視するかを軸として分類した種類です。

エージェント型監視ツール

監視ツール独自のエージェントを監視対象にインストールし、監視ツールとエージェント間で通信をおこなうことで監視をおこなうツールです。監視対象の情報をエージェントが収集しておき、定期的に監視ツールに送信する形式が一般的です。

エージェントレス型監視ツール

監視ツール独自のエージェントを必要とせず、監視対象にあらかじめ備わっている機能や一般的なプロトコルを使用して監視をおこなうツールです。一般的には機器のアップ/ダウンの確認(死活監視)にはICMPプロトコル(Pingコマンド)、パフォーマンス情報の収集にはSNMPが使用されます。

価格による分類

監視ツールを利用する際にかかるコストを軸として分類した種類です。

無料ツール

ソフトウェアのダウンロード、インストール、継続利用にコストが発生しない監視ツールです。
無料ツールの中にはソースコードが公開されたオープンソースソフトウェアなども存在し、機能を開発してカスタマイズすることが可能です。

有償ツール

有償の監視ツールは、ダウンロード、インストール、運用のコストが発生するツールです。
有償ツールは無料ツールに比べてコストが掛かる反面、比較的高機能であり、グラフィカルでわかりやすく利用難易度が低い傾向にあります。

 

要件別おすすめ監視ツール

ここからは、どのような監視ツールを選んで利用するべきかを状況別に解説します。
前述の通り、監視ツールは世の中に多数存在し、その種類も様々です。ツールの選択を誤ると余計なコストが掛かったり、本来必要な監視ができなくなったりする場合があります。ITシステムの監視を最適化するためには、最適なツールを選択することが大切です。

ネットワーク機器・サーバー数台の小規模ネットワークの監視

小規模ネットワークの監視には、無料のツールを選択して監視を始めるのがおすすめです。 無償ツールは一括設定などの便利な機能が提供されていない場合がありますが、数台のネットワーク機器の設定であれば、1つずつ設定することも容易です。

ただし、今後ネットワークが拡張する予定がある場合には注意が必要です。 無償ツールから有償ツールへの移行が必要になった場合、設定やデータの移行に対応しておらず、再設定が必要になる可能性が高いと考えられます。ネットワーク拡張の予定がある場合には今後の拡張性を考慮し、無料ツールではなく有償ツールを選択しましょう。

有償ツールの中でも、少数台のネットワーク機器の監視であれば無料で利用可能なツールがあります。

ネットワーク機器・サーバー数十台~複数拠点にまたがる大規模ネットワークの監視

大規模ネットワークの監視の場合は、安定性や一括設定などの機能に優れた有償ツールを利用するのがおすすめです。

有償ツールの中には、複数台のネットワーク機器を可視化してマップを作成する機能を持つツールがあります。 ネットワークが大規模になればなるほど管理や状況の把握が難しくなりますので、可視化マップ機能を利用して一目で状況を把握できる環境を構築することが重要です。

Webサービスの監視

Webサービスを運営し、ユーザーにサービスを提供している場合には、ネットワーク機器やサーバーの監視に加えて、アプリケーション監視ツールを使用し、アプリケーションサーバー、データベース、サービスの応答時間、サービスのUXなどを監視することが望ましいと言えます。
アプリケーション監視ツールを使用すると、Webサービスのパフォーマンスに何か問題が発生した場合に、ネットワーク機器とサーバーOSの監視ツールのみを用いた場合より更に問題箇所を的確に把握することが可能になります。

ネットワークの利用状況の監視

「ネットワークが遅い」、「いつも特定の時間帯に通信障害が発生する」などの問題が発生した場合には、トラフィック監視ツールを利用して通信量や通信内容を監視するのがおすすめです。
NetFlowやsflowといった機能に対応しているネットワーク機器を使用している場合はフローコレクターというトラフィック監視ツールを利用すると、「誰が・いつ・どこに当てた通信か」まで細かく把握できます。フローコレクターの詳細については、「ネットワークトラフィックの可視化を簡単に実現する方法」のページをご参照ください。

 

小~大規模ネットワーク・トラフィック監視・アプリケーション監視まで対応するツール

ManageEngineではネットワーク統合監視ツール「OpManager」を提供しています。 OpManagerは、さまざまなベンダー(メーカー)の物理サーバーやクラウドサーバー、ネットワーク機器などを管理・監視することができます。 Ping監視やSNMPやWMIなどのプロトコルを使った死活監視・パフォーマンス監視、可視化のためのマップ機能などもオプション課金なしにご利用いただけます。低価格で誰でも使えるユーザーインターフェースが特徴で、特別な知識や経験がなくてもすぐにネットワーク統合監視を始めることができます。

また、アプリケーション監視ツール、トラフィック監視ツールも統合し、すべての機能を1つの画面上から使用することも可能です。無料でもサポートつきでご利用いただけますので、是非お気軽にお試しください。

インストール不要な体験サイト

ManageEngineのネットワーク監視ツール「OpManager」では、ツールの使用感を確認できるGUIベースのサイトを提供しております。制限はありますが、実際に操作いただくことも可能です。

インストールや設定は一切必要ないので、お気軽にお試しください。

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