そもそもパケットロスとは?その原因や影響

パケットロスとは、ネットワーク上で通信をする途中でデータが欠けてしまう現象です。データが欠けてしまうため、意図したとおりの情報が送受信できません。

インターネットでやりとりするデータは、複数人でも同時に通信できるように、パケットと呼ばれる小さなデータに分割して送られます。パケットは通常、受け取り側でもとの データに復元されるのですが、時々、一部または全部が通信経路上で消失してしまうことがあります。これが「パケットロス」です。

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パケットロスの可視化と迅速調査の方法を解説

パケットロスが起きる原因として、以下のようなものが挙げられます。

  • ネットワークが処理可能なデータ量を上回る通信の発生
  • ネットワーク機器やケーブルの故障や不具合
  • 通信の途中や通信先のサーバーの障害

パケットロスの原因の詳細は、以下のページをご参照ください。

【関連】パケットロスとは?原因と対処方法を解説

パケットロスが発生すると、データの再送が発生する可能性があります。データの再送により通信にかかる時間が長くなり、「通信がなんだか遅い」と感じることもあるでしょう。また、パケットロスで再送が行われない場合、通信が途切れたような見え方になります。

パケットロスの発生により、映像や音声の品質が低下するケースも多いです。オンライン会議ツールを利用しているときに、パケットロスにより品質が低下して見づらく聞きづらくなったり、映像や音声の一部が途切れることがあります。また、オンラインゲームをプレイしているときに、操作と画面上の動きにタイムラグが生じてゲームの勝敗に影響することがあります。

パケットロスを改善する7つの方法

前述のとおり、パケットロスが発生するとさまざまな悪影響が起きるため、早めに改善することが重要です。ここでは、パケットロスを改善する方法を7つご紹介します。

1.端末やネットワーク機器を再起動する

パソコンやスマートフォンなどの端末は長時間連続で使用すると、メモリーの容量が圧迫されてしまう可能性があります。また、ルーターやモデムなどのネットワーク機器も本体に熱がこもったり、一時的な不具合が起こる可能性があります。

そのような時は端末やネットワーク機器の再起動を試しましょう。再起動により起動中のプロセスがリセットされたり、放熱効果や一時的な不具合の解消が見込まれ、パケットロスの改善につながります。

2.端末の不要なデータやキャッシュなどを削除する

端末のメモリーやハードディスクの容量が圧迫されると、パケットロスにつながる可能性があります。パケットロスを防ぐため、定期的に端末のデータを整理したりキャッシュを削除しましょう。

端末のキャッシュを削除する方法は、利用しているブラウザにより異なります。例えばChromeブラウザでは、以下の手順でキャッシュの削除が可能です。

  1. 画面右上にある3つの「・」が縦に並んだアイコンをクリック
  2. 「閲覧履歴を消去」をクリック
  3. 「詳細設定」内で「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
  4. 「データを消去」ボタンをクリック
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Chromeブラウザでキャッシュを削除する手順

端末のデータを整理する方法として、断片化したデータを整理し直す「デフラグ」があります。WindowsのパソコンでハードディスクにHDDを使用している場合、デフラグすることが有効です。

※Macのパソコンではデフラグが自動実行されるため、手動での操作は必要ありません。また、WindowsのパソコンでSSDを使用している場合やスマートフォンの場合は、デフラグにより製品寿命が縮まる可能性もあるため、デフラグは不要です。

端末で複数のアプリケーションやブラウザを立ち上げている場合も、CPUやメモリーを圧迫してパケットロスにつながる可能性があります。不要なアプリケーションやブラウザは閉じるようにしましょう。

3.端末やネットワーク機器のソフトウェアをアップデートする

パソコンやスマートフォンなどの端末内のOSのアップデートは時間を要することもあり、面倒に感じて古いバージョンのまま使用している方もいるかもしれません。そのような場合、OSの不具合が修正されずにパケットロスの原因になる可能性があります。

また、ルーターやモデムなどのネットワーク機器にもファームウェアが内蔵されており、そのバージョンが古い場合も同様にパケットロスの原因になることがあります。

パケットロスを防ぐため、端末のOSやネットワーク機器のファームウェアが最新版であるか確認し、最新版でない場合はアップデートしましょう。

4.端末やネットワーク機器、ケーブルを買い替える

パソコンやスマートフォン、ルーター、モデムなどの寿命は、一般的に5年程度と言われています。端末やネットワーク機器のスペックが古いことが原因で、パケットロスにつながる可能性があります。数年ごとに端末やネットワーク機器の買い替えを検討しましょう。

そのほか、端末やネットワーク機器を接続するケーブルの破損や規格が原因で、パケットロスが発生することもあります。ケーブルは内部で断線している場合、外から見ても分からないこともあり注意が必要です。また、仮にハイパフォーマンスな回線を利用していても、ケーブルの規格が古い場合は最大通信速度が制限されます。ケーブルの規格と最大通信速度を確認し、必要に応じて買い替えましょう。

5.Wi-Fiの電波干渉を解消する

Wi-Fiなどの無線接続を利用している場合、電波干渉により通信が不安定になりパケットロスが発生することがあります。

Wi-Fiでは2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯を利用できます。特に2.4GHzの周波数帯は電子レンジやテレビなどの家電やBluetooth機器などでも利用されており、広範囲に電波が届きやすい特徴も相まって電波干渉が起こりやすいので注意が必要です。一方で5GHzの周波数帯は他の家電などの電波と干渉しないものの、障害物の影響を受けやすいため、配置する場所には十分気を配りましょう。

また、可能であれば有線接続に切り替えることで、Wi-Fiなどの無線接続よりもパケットロスの少ない安定した通信を実現できます。

6.ネットワーク機器のQoSの設定を見直す

ネットワーク機器がQoSの機能を備えている場合、QoSの設定を見直すことでパケットロスを防げる可能性があります。

QoSとは、通信速度などの品質を保証するための技術です。例えばオンライン会議やオンラインゲームなど優先したいアプリケーションの帯域を保証することで、重要な通信のパケットロスを抑制することができます。QoSの詳細や見直しポイントについては、以下のページをご参照ください。
【関連】QoSとは?帯域制御・優先制御とQoSの見直しポイントを解説

7.インターネット回線の契約プランを見直す

インターネット回線の契約プランの帯域幅が不足していることが原因で、パケットロスが発生する可能性があります。

この場合、回線の契約プランを上位のものに変更することがもっとも手っ取り早い方法に思えますが、余分なコストの発生に注意する必要があります。まずは帯域の利用状況を把握し、適切な帯域幅を見極めてから契約プランの見直しを検討しましょう。

回線の契約プランの見直しに不可欠な帯域の現状把握については、以下のページをご参照ください。
【関連】帯域の不足?回線が細い?企業に求められる回線の太さが問題かわかる環境

パケットロスの改善方法まとめ

本ページではパケットロスの改善方法として、以下の7つをご紹介しました。

  • 端末やネットワーク機器を再起動する
  • 端末の不要なデータやキャッシュなどを削除する
  • 端末やネットワーク機器のソフトウェアをアップデートする
  • 端末やネットワーク機器、ケーブルを買い替える
  • Wi-Fiの電波干渉を解消する
  • ネットワーク機器のQoSの設定を見直す
  • インターネット回線の契約プランを見直す

これらを試しても改善しない場合、通信先の問題である可能性が高いです。通信先のWebサーバーやネットワーク機器に障害が発生している場合や、海外など物理的に遠く離れた場所と通信する場合に、パケットロスが発生しやすくなります。このようなケースでは手の打ちようがありませんので、障害の復旧まで待つかサービス管理者に連絡を取りましょう。

パケットロスなどのネットワークの問題の改善に役立つツール

ManageEngineでは、パケットロスなどのネットワークの問題の改善に役立つネットワーク監視ツール「OpManager」をご提供しています。以下のように、パケットロスはもちろん、サーバーの可用性や応答時間、パフォーマンスなどをわかりやすく可視化します。

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ネットワーク監視ツールによるパケットロスの可視化

パケットロスなどのネットワークの問題に対応するうえで、ネットワーク構成の全体像の把握が必要なケースも多いです。OpManagerでは、マウスのドラッグ&ドロップを中心とした直観的な操作で簡単にネットワークマップを作成できます。監視対象の機器については監視結果と連動させることができ、マップを見ただけでどこでどんな異常が発生しているか把握できるようになります。

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ネットワーク監視ツールによるネットワーク構成の可視化

パケットロス率などさまざまな監視項目に3段階のしきい値を設定でき、しきい値を超えた場合にメールなどで即時通知できるため、パケットロスなどの異常への早期対処が可能です。OpManagerの操作感を試したい方は、ぜひ以下のブラウザ上で操作できる体験サイトにアクセスしてみてください。

インストール不要で操作できる体験サイト

ManageEngineのネットワーク監視ツール「OpManager」では、ツールの使用感を確認できるGUIベースのサイトを提供しております。制限はありますが、実際に操作いただくことも可能です。

インストールや設定は一切必要ないので、お気軽にお試しください。

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