株式会社バロックジャパンリミテッド 様

急成長のアパレル企業、バロックジャパンリミテッドでは、ITサービスマネジメントツールを用いて、社内業務の標準化を進めている。適切なツールを選定する過程や、導入後の効果について、同社担当者に聞いた。
プロフィール
株式会社バロックジャパンリミテッドは、「moussy」「SLY」「RODEO CROWNS」「rienda」「AZUL by mousy」などのブランドを抱え、急成長を続けているアパレル企業だ。2000年4月、1号店を渋谷109店にオープンして以降、百貨店やショッピングモールを中心に店舗展開してきた。2006年に香港、続いて台湾、中国本土に進出し、国内外で348店舗(2013年4月末現在)を展開。
国内の問い合わせ管理と海外のIT資産管理が課題に
バロックジャパンリミテッドでは、企業規模が拡大すると共にサービスデスクの作業も増加していった。「それまでExcelで問い合わせを管理していましたが、手作業の限界に近づいてきました。システム化が必要な時期になっていました」(松本氏)
同じ時期に、同社では海外戦略が本格化していた。台湾や中国への進出が進んでおり、現地のIT資産の管理が求められていたのである。翻って日本国内を確認すると、まだExcelベースの管理で、こちらもシステム化されていない。2011年に入ってから、サービスデスクツールと資産管理ツールを探すことになった。
ツール選定の要件
- 問い合わせ管理ができること
- IT資産管理ができること
実績とコストでServiceDesk Plusを採用
ほどなく松本氏はゾーホージャパンの「ServiceDesk Plus」に注目する。
「アプリケーション監視ツール『ManageEngine Applications Manager』を使用していたので、『ServiceDesk Plus』の存在は知っていました。調べると、多言語対応しており、グローバルで使える。こちらのニーズに十分対応するものとわかり、検証に入りました」(松本氏
「ServiceDesk Plus」であればヘルプデスクと資産管理の両機能が搭載されており、1本で同社のニーズをカバーできる。低コストながら、機能も必要十分であった。
導入後に発生した課題にもツールを活用
ServiceDesk Plus導入後の2012年、バロックジャパンリミテッドでは物流の再編成を行い、新倉庫を新たな物流拠点とした。新拠点では物流業務を完全にアウトソーシングしたが、まもなく店舗や本社とのコミュニケーションが課題として指摘されるようになった。店舗からの依頼を複数の担当者が取り次いで対応するのだが、これが倉庫の現場担当者の混乱を招いたのだ。
課題解決のため、ツールの導入の検討が始まった。本来であれば、一般に考えられるツールとしてワークフローツールが適していると思われる。だが、同社に導入されていた別の業務用ワークフローツールは、利用環境に制限があり、倉庫業務で利用するには柔軟性にも欠けていた。

ここで、着目したのがServiceDesk Plusの『サービスカタログ』機能でした。『サービスカタログ』であれば、業務の定型化が可能ではないかと検討を開始しました
松本氏は倉庫のスタッフにも確認しながら、店舗からの要求を分類整理し、物流部門との打ち合わせの場でサービスカタログのWebフォームとフローを作成した。「実装と改善をスパイラルに繰り返し、PDCAをまわしながら、完成度を高められます」と、松本氏は語る。こうして、20件近い定型業務をサービスカタログ化し、現在も継続して追加している。
ServiceDesk Plusの使い勝手は?
ServiceDesk Plusの導入当初は、新たなツールへのログインが手間だったと感じていた増田恵子氏も現在では、使い勝手をこう評価する
Webフォームでは指定の記入欄に必要事項を入力していくだけなので、実際にはメールよりも楽ではないかと思います。記入漏れもなくなり、コミュニケーションのロスをなくすことができました

松本氏は倉庫業務に限らず、ServiceDesk Plusのサービスカタログを、他の事業部での展開を構想している。「サービスカタログは多対多の業務の標準化と見える化を実現する強力なツールです。上手に利用すれば業務の効率化やKPI測定まで可能です」と語る。
松本様、増田様、貴重なお話ありがとうございました。