クラウド化が進む中、ITSMに求められる新たな対応とは
企業のITインフラは、オンプレミスからクラウド、さらには複数クラウドの併用(マルチクラウド)や、オンプレミスとクラウドを併用するハイブリッド型へと、多様化しています。これにより、ITサービス管理(ITSM)においても、従来の一元的な管理では対応しきれない課題が浮上しています。
このような複雑化する環境においては、「柔軟性」「拡張性」「統合性」の高いITSMが不可欠です。ManageEngine ServiceDesk Plusは、クラウドに対応した先進的な設計を取り入れ、マルチクラウドやハイブリッド環境でも安定したIT運用を実現します。
クラウドネイティブITSMとは? クラウドの特性を活かした、次世代のITサービス管理
クラウドネイティブITSMとは、単なるクラウド上で動作するITサービス管理システムではありません。「クラウドネイティブ」とは、クラウドの特性――たとえば自動スケーリング、高可用性、継続的デリバリー(CI/CD)、マイクロサービスアーキテクチャなどを前提として設計・開発されたソフトウェアを指します。
クラウドネイティブの主な特徴
- スケーラビリティ:アクセス量や処理量に応じて自動でリソースを増減
- 冗長性と高可用性:障害発生時も別ノードやリージョンで即時復旧
- 継続的アップデート:パッチ適用や新機能が自動で反映される
- APIベースの統合性:他システムとの柔軟な連携を可能にする
ManageEngine ServiceDesk Plus Cloud は、このクラウドネイティブの思想に則ったSaaS型のITSMプラットフォームです。
具体的には、以下のようなクラウドの特性を活かした設計が採用されています。
- サーバーレス構成: インフラ管理の手間を省き、迅速なスケーリングと可用性を実現
- スケーラブルなデータベース: 大量のインシデントや資産情報を処理しても性能を維持
- 分散運用基盤: マルチリージョンでの運用にも対応し、BCP(事業継続計画)にも寄与
- 自動バックアップとDR(ディザスタリカバリ): 万が一の障害時も迅速な復旧が可能
- マルチテナント構造: 子会社や部門ごとに運用を分離しながら、一元管理が可能
ServiceDesk Plus Cloudは、セキュリティ面でもエンタープライズ要件を満たしています。通信・保存データの暗号化、ISO 27001/27017などの認証取得、IPフィルタリングや多要素認証といった機能により、安心・安全なITサービス運用を支えます。
加えて、プラットフォームは常に最新状態に保たれ、アップデートやパッチは自動的に適用。そのため、社内での保守作業やセキュリティリスクへの対応も最小限に抑えられます。
IT部門を悩ませる、クラウド分散による管理負荷
クラウドネイティブなITSMは、運用効率の向上を支える一方で、実際の現場では「クラウドの分散管理」という新たな課題が生まれます。
- 管理ポリシーや監査要件がクラウドごとに異なり、統一運用が困難
- クラウド間のインシデント影響範囲が見えづらく、対応が遅延しやすい
- 構成情報や資産情報の更新が追いつかず、監査準備に時間がかかる
- ユーザーのサービス要求やアクセス権限のコントロールが煩雑化
特に、複数のクラウドベンダーやサードパーティ製サービスを利用している場合、それぞれのサービスに個別対応しなければならず、属人化や運用のバラつきが発生しやすくなります。インシデントに対しても、障害の発生場所がクラウドかオンプレミスかによって担当部門や対応手順が異なる場合は、初動対応の遅れや情報共有の不足などのリスクが考えられます。
このように、ハイブリッド・マルチクラウド環境がもたらす“運用負荷の分散”は、IT部門の生産性を著しく低下させる要因になる場合がありますが、これらの課題をServiceDesk Plusでは解決できます。
マルチクラウドでも安心。ServiceDesk Plusによる一元管理
ハイブリッド/マルチクラウド環境では、IT資産・インシデント・サービス要求・ユーザーの所在が分散しがちで、従来のITSMツールでは全体の可視化や管理が困難な場合があります。ServiceDesk Plus Cloud なら、クラウドネイティブな設計と高度な自動化機能により、クラウド・オンプレミスが混在する環境でも、一貫したITSMを実現します。
構成管理データベース(CMDB):クラウド資産を正確に把握・関連付け
ServiceDesk PlusのCMDBでは、オンプレミス資産に加えて、AWSやMicrosoft Azureなどの主要なクラウドサービスと連携することで、サーバー、仮想マシン、アプリケーション、ストレージといった構成アイテム(CI)の情報を収集・管理できます。API連携などを活用することで、CI同士の依存関係や稼働状況も可視化され、以下のような運用が実現します。
- 障害発生時に、どのクラウド資産が影響を受けているかを即座に判断
- 変更管理やインシデント管理と連携し、構成変更の影響範囲を可視化・把握
>>CMDB(構成管理データベース)の必要性とツールの選定ポイント
インシデントの自動振り分け:クラウドでも迅速・的確な対応を実現
複数のクラウド環境で発生するトラブルは、それぞれ担当部門や対応ルールが異なるため、すべてを人の判断に任せていると、対応の遅れやミスにつながるリスクがあります。ServiceDesk Plusでは、あらかじめ設定したルールに基づいて、インシデントの内容や発生場所を自動で判別し、以下のような処理を自動化できます。
- 利用しているクラウドサービスやカテゴリに応じて、適切な担当者やチームへチケットを自動で振り分け
- 優先度や影響の大きさに応じて、SLAの適用やエスカレーション処理を自動化
- よくある問い合わせには、AIアシスタント(Zia)による即時の一次対応も可能
* 2025年4月現在:AI機能は「米国もしくは英国データセンター」かつ「設定言語が英語」の環境でのみ利用可能です。詳細は、グローバルページ(英語)をご覧ください。
>>AI駆動のインシデント管理で、迅速で正確な優先順位付けが可能に
複数拠点・グループ会社のIT運用も、ひとつのプラットフォームで対応可能
ServiceDesk Plusは、グループ会社や部門ごとに、ワークフローやSLA、通知ルールなどを分けて運用できる柔軟な管理機能を提供しています。各組織は独立して運用しながらも、管理者は全体の状況をまとめて確認できるビューを利用可能です。
- 部門ごとに異なるワークフロー・SLA・通知ルールを設定可能
- 全体状況を俯瞰できる統合ビューにも対応
- 部門別のカスタムダッシュボードやレポート出力が可能
これらの機能により、グローバルに展開する企業や、グループ会社を束ねる持株会社のIT部門にとっても、効率的で柔軟なIT運用を実現します。
SLAの可視化も一元対応
クラウドサービスの利用が広がる中で、トラブルやリクエストの対応時間を適切に管理するには、環境に依存しないSLA(サービスレベル合意)の仕組みが欠かせません。ServiceDesk Plusでは、以下のようなSLA管理機能を標準で提供しており、クラウド上のサービスを含むインシデントにも対応できます。
- クラウド・オンプレミス問わず、サービスに応じたSLAルールを定義・管理可能
- 拠点や部門ごとにカスタマイズできるSLAテンプレート
- 遅延や違反が発生した際は、自動で通知やエスカレーションを実行
- 80種類以上のレポートテンプレートやインシデント対応状況、SLA達成率、エージェントの応答時間などのBIダッシュボードにより、対応実績や改善ポイントを可視化
これにより、クラウドを含む複雑なIT環境でも、対応状況を明確に把握し、サービス品質の維持・向上を図ることができます。
>>サービスレベル管理(SLA管理)をツールで自動化する方法
まとめ:クラウドの複雑さを、一貫性のある運用へ変える鍵とは?
ハイブリッドクラウドやマルチクラウドが当たり前になった現在、IT部門には「分散されたシステム環境をいかに統合し、効率的に管理するか」という課題が突きつけられています。これに対し、単なるクラウド対応ではなく、クラウドネイティブという視点から設計されたITSMツールが求められています。
ManageEngine ServiceDesk Plus Cloudは、そうしたニーズに応える、柔軟で拡張性のあるITSMツールです。CMDBによる構成情報の可視化、自動ルーティングやSLA管理による対応品質の標準化、部門や拠点をまたいだ一元的な運用――すべてがクラウドに最適化された仕組みで実現できます。
クラウドネイティブITSMツールである、ServiceDesk Plusの統合管理機能によって、分散・多様化が進むIT環境を、シンプルかつ強靭に管理することが可能です。