ITIL®における構成管理データベース(CMDB)とは?

ITIL®準拠 ITサービスマネジメント

ITIL®における構成管理データベース(CMDB)とは?

ITIL®準拠のCMDB(構成管理データベース)でCI(構成アイテム)間の依存関係を可視化

 構成管理(CMDB)とは

構成管理(CMDB)とは、ITサービスを提供する上で必要不可欠な「資産」とその「構成」を一元管理することです。構成管理では、構成アイテムまたは構成項目(CI:Configuration Item)のライフサイクルを管理します。

■構成アイテム(Configuration Item:CI)とは
ITサービスの提供に必要なハードウェア、オペレーティング・システム、アプリケーション・ソフトウェア、ドキュメント、人的リーソス(資産のオーナー)、インフラ、建物などの資産は、構成アイテム(Configuration Item:CI)と呼ばれます。
構成管理プロセスの導入により、インシデント発生時の影響範囲の特定や、変更計画の際に現状の構成情報を参照できるようになります。

 

 構成管理の目的は、構成の明確化と影響範囲の特定

ITIL®に準拠した構成管理の目的は、次の3つに絞られます。

  • 組織内のすべてのIT資産とその構成を明確にする
  • 組織内の実際の構成情報と照らし合わせ、常に最新の構成情報を維持・管理する
  • インシデント管理、問題管理、変更管理などのITサービスマネジメントプロセスを支援する

これら3つの目的を実現するために、CMDB(構成管理データベース)を構築します。
構成管理プロセスの導入により、インシデント発生時の影響範囲の特定や、変更計画の際に現状の構成情報を参照できるようになります。

 IT資産管理と構成管理(CMDB)の違い

IT資産管理は、社内に存在するIT資産をすべて管理します。使用状況・保守コストの最適化、コンプライアンスの維持(ライセンス違反の抑止など)、セキュリティレベルの向上などを目的として実施します。

一方、構成管理(CMDB)は、ITサービスの提供のために必要不可欠な構成アイテム(CI)を管理します。状態、構成が全く同一であれば、複数のIT資産が存在したとしても1つのCIとして扱うことが可能です。
ITサービスの効率的な提供、また、構成アイテムの更新/問題発生時にはビジネスインパクト(業務影響)を最小限に抑えることを目的として実施します。

 構成管理(CMDB)における課題とツールの選び方

構成管理(CMDB)は、ビジネスインパクト(業務影響)を限りなくゼロにするためにとても重要です。構成管理を行っていないと、以下のような課題をずっと抱えたままになります。

■構成管理(CMDB)における課題
  • 社内の資産が複雑に絡み合っており、何がどうなっているのか誰もわからない。または「属人化」している
  • インシデント発生・対応時に、どこまで影響があるか「迅速に」「的確に」判断できない
  • ネットワーク構成、システムなどの変更計画・実施時に、見えていない構成アイテムがあることにより「考慮不足の変更」を行い、「予期しないインシデント」を引き起こす
  • インシデント、問題、変更と紐づく構成管理情報をトラッキングできていないことにより、過去の状況を確認できない
  • 各CIオーナーが管理している構成アイテムのステータス(稼働中、検証中、故障中、廃棄)などが他のCIオーナーに見えていないことにより、「不適切な状況判断」に基づいて作業してしまう
  • ハードウェア、ソフトウェア・アプリケーションなどのライセンス、有効期限、ライセンス契約などをCI情報と結び付けて適切に管理していないことにより、不具合が発生した場合の「影響度」が分からない
■ツールの選び方

上述のような課題を解決/目的を達成するために、以下のような観点に焦点をあててツールを選択するのがいいといえます。

  • マップを作成して、構成情報を可視化できる
  • 企業のニーズにあわせて、管理レベルが決められる
    例:ハードウェアごと、OSごと、コアごと、ソフトウェア・アプリケーションごとにライセンス、リース期間を管理できる
  • ITサービス運用に必要不可欠なアイテムをできるだけ見やすくカスタマイズできる
    例:ソフトウェアと使用している人を関連付ける際、その「人」を「部門」としてグループ化できる。または、階層化できる
  • 「属性」とよばれるCI情報が設定・確認しやすい
  • 正確、最新のデータが見れる
  • インシデント管理、問題管理との関連付けができる。過去、どんな理由で対応・変更をおこなったかのトラッキングができる
  • 新しいメンバーが参画した際にも移行しやすい

※「属性」とは、CIタイプ、名前、説明、場所、ライセンス情報、オーナー、ステータス、ベンダー情報、文書(ドキュメント)、期限、SLAなどの情報のことです。これら適切に管理することで、ビジネス的な判断を的確に行うことができるようになります。

 ServiceDesk Plus で実現するITIL®準拠の構成管理(CMDB)

ITサービスマネジメントツールであるServiceDesk Plusの機能の一つであるCMDBは、ITサービスに紐づく構成アイテム(CI)の正確な構成情報の維持・管理に役立ちます。ServiceDesk Plusはヘルプデスク機能もあるため、インシデント管理/問題管理/変更管理と構成アイテムの関連付けも可能です。

計画立案

CMDBを構築する前に構成管理の目的と、サービスや環境など、適用の範囲を明確にします。さらに、インシデント管理、問題管理、変更管理など、その他のITサービスマネジメントをサポートするグループのポリシー、標準、プロセスを考慮する必要があります。計画立案の段階で明確にしておくべき要素には次のようなものが含まれます。

  • 組織における構成管理の適用範囲・ITシステムの運用目的・目標
  • グループポリシー・標準化された業務プロセス
  • 構成アイテム(CI)の命名規則

構成の識別

ITインフラストラクチャの構成を分解し、CMDBに登録します。
構成を分解する粒度が大きすぎたり小さすぎたりすると、適切な構成管理が困難になります。そのため、情報の広さと深さのバランスを考える必要があります。

一般的に識別される構成として、ハードウェア、ソフトウェア、業務アプリケーション、ライセンス、保守契約書などがあります。ServiceDesk Plusでは、スキャン機能やCSVインポート機能を利用して、自動でIT資産のインベントリ情報(ハードウェア情報、ソフトウェア情報)を取得します。

  • WMI、Telnet/SSH、SNMPを使用して、ネットワーク上にあるIT資産(ワークステーション:Windows,Linux,Mac、プリンター、ルーター、スイッチ、アクセスポイントなど)を自動で検出し、資産情報をServiceDesk Plusにインポート
  • IPアドレスをもたない資産(非IT資産)情報などはCSVファイルから一括インポート
  • ServiceDesk PlusのUIから手入力で資産情報を登録

ServiceDesk Plusのインベントリ情報収集方法については インベントリ情報収集をご覧ください。

構成コントロール

構成アイテム(CI)の使用開始から廃棄までが正しく認識されて、CMDBで確実に管理される必要があります。構成アイテムが承認なしで追加/削除されることのないよう、ServiceDesk Plusでは、CMDBと変更管理プロセスとが連携しており、構成アイテムの変更履歴を追跡できます。

ITIL®構成管理-構成アイテムの変更履歴【構成アイテムの変更履歴】

ステータスの説明

正確な構成情報を管理するためには、すべての構成アイテム(CI)のステータスを確認できるようにする必要があります。構成アイテムのステータスを把握することで、問題発生時にワークアラウンド(回避策)を適用する際に、利用できるもの/できないものを識別できます。ServiceDesk Plusでは、「使用中」「在庫」「修理中」「有効期限切れ」「廃棄」の5つのステータスでIT資産を管理します。標準で実装されたステータスの他にも、新たにステータスを追加できます。

ITIL®構成管理-構成アイテムのステータス【構成アイテムのステータス】

検証と監査、報告

組織内の実際のIT資産の構成が、CMDB上に登録された構成と一致するかを検証する必要があります。不一致が見つかった場合には、ただちに改善し原因を突き止めます。ServiceDesk Plusでは、スキャン機能やCSVインポート機能を利用して、IT資産のインベントリ情報(ハードウェア情報、ソフトウェア情報)と構成を更新することが可能です。また、インベントリ情報の収集をスケジュール化することで、定期的にCMDB内の構成情報を最新の構成情報に上書きします。

ITIL®構成管理-構成アイテムの更新情報【構成アイテムの更新情報】

構成アイテム(CI)とインシデント/問題管理の紐づけ

状況を「迅速に」「適切に」判断するためには、現在発生しているインシデント・問題があるか、また、過去にどんな理由でインシデント対応・問題提起をおこなったかを確認する必要があります。ServiceDesk Plusでは、CMDBとインシデント管理プロセス/問題管理プロセスとが連携しており、構成アイテムのインシデント履歴、問題履歴を追跡できます。

ITIL®構成管理-構成アイテムとの紐づけ【構成アイテムとの紐づけ】

※ITIL(IT Infrastructure Library®)はAXELOS Limitedの登録商標です。