QoSとは?デフォルト機能によるDSCPの可視化
概要
- 対象バージョン : 12
- NetFlow Analyzerのデフォルト機能で監視可能なQoS関連情報と、以下を目的とした監視方法をご紹介します。
- 特定の通信に、意図したDSCPが正常に割り振られているか確認したい
- 輻輳や余裕のあるDSCPを特定したい
- QoS関連データ情報はネットワーク機器から送付されるフローデータに包含されます。
- ネットワーク機器のDiffServ等対応可否や設定状況と方法、QoSに関する仕様は機器ベンダー様にお問合せください。
- 目次
QoSとは
QoS
QoS (Quality of Service)は、「サービス品質」を意味します。
例えばネットワーク機器における優先制御や帯域制御など、より効率的なネットワーク上のパケット処理を実現することで保証される対象です。
DiffServ
DiffServ(Differentiated Services)はQoSサービスモデルの1つです。
DiffServが有効なネットワーク機器は、
各パケットのIPヘッダ内、ToS値からそのパケットの優先度情報等を認識し、
優先制御や破棄制御といったパケット処理を実現します。
ToS
ToS(Type of Service)値は、
IPヘッダ内のToSフィールドに包含される8bitの2進数です。
IP Precedence
IP PrecedenceはToSフィールド内、最初の3bitで表される8段階(0~7)の優先度指標値です。
DSCP
DSCP(DiffServ Code Point)はToSフィールド内、最初の6bitでクラス分けした値です。
- DF(Default Forwarding) : BestEffort(QoS未設定)の状態、NetFlow AnalyzerではDefaultと表示
- CS(Class Selector) : IP Precedenceの優先度指標値と互換性あり
- AF(Assured Forwarding) : 相対的優先転送として、パケットの優先度と共に破棄率が定義され、優先制御を保証
- EF(Expedited Forwarding) : 完全優先転送として、低ジッター/低遅延の通信を高品質に保証
- 6bit目が"0"の場合、NetFlow Analyzerは上記グラフの値を表示、"1"の場合は6桁の2進数をそのまま表示
DSCPグルーピング
NetFlow Analyzerはグルーピング機能を用いて、任意のDSCP値毎の監視セグメントを作成可能です。
1.
設定 > フロー解析 > グループ設定 > DSCPグループ に遷移
2.
画面右上の[追加]をクリック
3.
グループ名を入力し、グループ化したいDSCP値を[選択済み]に移動させ[保存]をクリック
保存後、DSCPグループ一覧より
- 既存グループ名をクリックし、DSCP値と説明分の再編集が可能
- 既存グループ名右記の[ごみ箱]アイコンでグループの削除が可能
監視
インベントリ-DSCP
1.
インベントリ > インターフェースタブ > 監視したい[インターフェース名]をクリック > QoSタブにて、インターフェース内のDSCP値を確認
- インベントリ > 装置タブ > 監視したい[ルーター名]をクリック > QoSタブ にて、ネットワーク機器内、DSCP値を確認
- インベントリ > インターフェースタブ > 監視したい[インターフェース名]をクリック > QoSタブ > DSCPグループ > 該当グループ にて、該当DSCPを含む通信を確認
2.
該当の[名前](DSCP値)をクリック
3.
クリックしたDSCP値に該当する通信情報を確認
インベントリ-ToS
1.
インベントリ > インターフェースタブ > 監視したい[インターフェース名]をクリック > QoSタブ >ToS にて、インターフェース内のToS値を確認
数字はPriority(優先度0-7/7が最優先)を、アルファベットは左からDelay(遅延)/Throughput(スループット)/Reliability(信頼性)/Cost(コスト)を以下の基準で表示
- H : High
- N : Normal
- L : Low
2.
該当の[名前](ToS値)をクリック
3.
クリックしたToS値に該当する通信情報を確認
ダッシュボード
1.
ダッシュボード > 画面右上のアイコン > ウィジェットの追加(ダッシュボードを追加後に表示されるようになります) > [フロー解析]配下の[QoS]をクリック > [追加]をクリック
2.
QoSウィジェット右上のアイコンから、ウィジェット名/トップ数/表示対象期間/リソースタイプ(装置/インターフェース)を選択し[保存]をクリック
3.
その他ウィジェット情報と共にQoS内訳の確認が可能
画面右上の星マークをクリックすることで、ログイン後のデフォルトダッシュボード画面として設定されます。
検索レポート
1.
レポート > NFA > 検索 に遷移
2.
条件定義(最大3)にて、特定DSCPを包含条件/除外条件に定義
3.
[レポート生成]をクリック特定DSCPに関する通信情報の逆引き検索が可能