Patch Manager Plus オンプレミス版 ナレッジベース

リモートオフィスの追加


この記事では、リモートオフィスの定義、リモートオフィスの追加方法、および配信サーバーのインストール方法やリモートオフィスにおけるエージェントインストールについて説明します。

リモートオフィスについて

リモートオフィスとは

Patch Manager Plusサーバーから直接LANを経由して接続される管理対象の範囲を「ローカルオフィス」と呼ぶのに対し、配信サーバーを経由して接続される対象や、インターネット回線経由で接続される対象の範囲を「リモートオフィス」と呼びます。


リモートオフィスの種類

リモートオフィスを設定する場合は、(A) 配信サーバーを設定するケース、 (B) 配信サーバーを設置せず、エージェントがWANを経由して直接Patch Manager Plusサーバーと通信(セキュアゲートウェイサーバーを設置する場合はセキュアゲートウェイサーバーと通信する) ケースがあり、設定内容が異なります。
また、配信サーバーを設置する拠点としない拠点が混在する場合は、それぞれの拠点に対して(A) 配信サーバーを設定する場合/(B)配信サーバーを設置せず直接通信する場合に記載された内容を設定します。

Patch Manager Plusサーバーが置かれている拠点のLAN内に配信サーバーを設置する場合も、"配信サーバー"および"配信サーバーと通信するエージェント"が所属するサブネットを便宜上「リモートオフィス」と呼び、上記(A)のケースとして扱います
(B)のケースは、管理対象PCの各端末の状態を「ローミングユーザー」と呼びます。

リモートオフィスの追加手順

(A) 配信サーバーを設定する場合

配信サーバーを設置する場合は、(1) 配信サーバーとなるPCの情報、(2) 複製ポリシー、(3) リモートエージェントのインストール設定 について設定が必要です。

  1. エージェントタブ > 管理対象 > リモートオフィス を開きます。
  2. [+リモートオフィスの追加] をクリックし、各項目を入力します。
    • リモートオフィス名:分かりやすい名称を入力します。
    • Patch Manager Plusサーバーの詳細:Patch Manager Plusサーバーの情報が表示されます。必要に応じて編集します。
    • 通信の詳細:「配信サーバー(DS)による」を選択します。また、これから設置する配信サーバーについて、以下の情報を入力します。
    • ドメインのNetBios名:配信サーバーのドメイン名を入力します。
    • PC名:配信サーバーのホスト名を入力します。
    • IPアドレス:配信サーバーの固定IPアドレスを入力します。
    • FQDN/DNS名:配信サーバーをパブリックDNSに登録している場合は入力します。
    • HTTPポート:配信サーバーがHTTPで使用するポートを指定します。デフォルトは8021です。
    • HTTPSポート:配信サーバーがHTTPで使用するポートを指定します。デフォルトでは8384です
    • 複製ポリシー:複製ポリシーを作成します。
  3. 複製ポリシーの作成
    複製ポリシーは、サーバーへの負荷集中や帯域幅の圧迫を防止するために設定します。詳細はこちらをご覧ください。

    • ポリシー名:ポリシーの名称を入力します。
    • データ転送率:Patch Manager Plusサーバーからデータを送信する際の通信速度の上限を選択します。
    • レプリケーション間隔:配信サーバーがPatch Manager Plusサーバーにアクセスする間隔を指定します(配信サーバーが10台以下の場合は、デフォルトの「2分」で問題ありません)。
    • サーバーからパッチとソフトウェアを複製:データを複製し送信する曜日と時間帯を指定します。
  4. 配信サーバー/WANエージェントからPatch Manager Plusサーバーへの接続
    プロキシ設定:プロキシを経由する場合はプロキシホスト名、ポート、必要に応じてユーザー名、パスワードを入力します
  5. リモートエージェント(WANエージェント)のインストール:
    (α) 自動インストール または (β) 手動インストール を選択します。配信サーバーがPatch Manager Plusサーバーに接続すると、エージェントのインストールが開始されます。



    (α) 自動インストール

    • 配信サーバーの自動インストール:チェックを入れます。
    • WANエージェントの自動インストール:チェックを入れます。

    さらに、次の手順を実行します。

    1. 配信サーバーおよび管理対象のPCが所属するドメインの、ドメイン管理者権限をもつユーザー情報を登録します。
      • WANエージェントの自動インストール:チェックを入れます。
      • ドメインの資格情報:エージェントの所属ドメインの管理者アカウント情報を登録し、選択します。
    2. 管理対象となるPCを選択、またはcsvファイルからインポートします。
      • 「+PCの追加」をクリックし、リモートオフィスに所属させるPCをドメインツリーから選択します。
      • 「CSVのインポート」をクリックし、PC名を改行区切りで入力したCSVファイルを選択します。
    自動インストールには、Patch Manager Plus Windowsエージェントのプッシュインストールと同様、名前解決できる環境および指定ポートの開放が必要です。
    エージェントタブ > SoM設定 > エージェントインストールの再試行設定 > 「配信サーバー/エージェントインストールの再試行」 チェックボックスを有効にし、再試行頻度を設定することで、失敗したターゲットでエージェントのインストールを自動的に再試行することもできます。

    (β) 手動インストール

    • 配信サーバーの自動インストール:チェックを外します。
    • WANエージェントの自動インストール:チェックを外します。

    さらに、エージェントをインストールします。

    1. エージェントタブ > SoM設定 > リモートオフィス > エージェントのダウンロード カラムから、追加したリモートオフィスに対応するエージェントをダウンロードします。
    2. 配信サーバーになるPCに移動し、ダウンロードした.zipファイルを解凍します。
    3. エージェントをインストールする対象のコンピューター名を列挙したcomputernames.txtファイルを作成します。
    4. コマンドプロンプトを管理者として実行し、解凍したzipフォルダー内のdssetupフォルダーに移動してsetup.batを実行します。
    5. 2を入力してエンターキーを押すと、バッチファイルを実行しているコンピューターにWANエージェントがインストールされます。4を入力してエンターキーを押すと複数のコンピューターにWANエージェントがインストールされます(複数のコンピューターにWANエージェントをインストールするオプションを選択する前に、リモートオフィスの追加中にすべてのコンピューターを追加したか、抽出されたフォルダーの.txtファイルを編集し、エージェントをインストールする必要があるすべてのコンピューター名を追加したかを確認します。各コンピューターは個別の行で指定する必要があります)。
    6. プロンプトが表示されたら、管理者のユーザー名とパスワードを指定します

(B)配信サーバーを設置せず直接通信する場合

配信サーバーを設置しない場合は、1. 複製ポリシー、2. リモートエージェントのインストール設定 についてのみ設定が必要です。

  1. エージェントタブ > 管理対象 > リモートオフィス を開きます。
  2. [+リモートオフィスの追加] をクリックし、各項目を入力します。
    • リモートオフィス名:分かりやすい名称を入力します。必要に応じて説明の追加をクリックし、編集します。
    • Patch Manager Plusサーバーの詳細:Patch Manager Plusサーバーの情報が表示されます。必要に応じて編集します。
    • 通信の詳細:「直接通信」を選択します。
    • 複製ポリシー
      複製ポリシーは、サーバーへの負荷集中や帯域幅の圧迫を防止するために設定します。リモートオフィスに

      • ポリシー名:ポリシーの名称を入力します。
      • データ転送率:Patch Manager Plusサーバーからデータを送信する際の通信速度の上限を選択します。
      • レプリケーション間隔:※ この項目は、WANエージェントに対しては適用されません。WANエージェントとサーバーの通信間隔は、リフレッシュサイクルの仕様(PCのネットワーク接続時および90分間隔の通信)となります。
      • サーバーからパッチとソフトウェアを複製:※ この項目は、WANエージェントに対しては適用されません。データを複製し送信する曜日と時間帯を指定します。
    • コミュニケーション: HTTPSが指定されています。
    • プロキシ設定: プロキシを経由する場合はプロキシのホスト名、ポートに加え、必要に応じてユーザー名、パスワードを入力します。
       
    • リモートエージェントのインストール:
      (α) 自動インストール または (β) 手動インストール を選択します。


      (α) 自動インストール

      • WANエージェントの自動インストール:チェックを入れます。

      さらに、次の手順を実行します。

      1. リモートエージェントのインストール:以下の項目にチェックを入れ、資格情報を設定します。自動インストールを実行するためには、配信サーバーおよびクライアントの所属するドメインの、ドメイン管理者権限をあらかじめ登録する必要があります。
        • 配信サーバーの自動インストール:チェックを入れます。
        • WANエージェントの自動インストール:チェックを入れます。
        • ドメインの資格情報:配信サーバーおよびエージェントの所属ドメインの管理者アカウント情報を登録し、選択します。
        エージェントタブ > SoM設定 > エージェントインストールの再試行設定 > 「配信サーバー/エージェントインストールの再試行」 チェックボックスを有効にし、再試行頻度を設定することで、失敗したターゲットでエージェントのインストールを自動的に再試行することもできます。
      2. 管理中のPC:[+PCの追加]をクリックしドメインツリーからリモートオフィスに追加するPCを選択します。または、[CSVのインポート]をクリックし、PC名を改行区切りにしたcsvファイルをアップロードします。

      (β) 手動インストール

      • WANエージェントの自動インストール:チェックを外します。

      さらに、エージェントをインストールします。以下はWindows直接インストールの方法です。

      1. エージェントタブ > SoM設定 > リモートオフィス > エージェントのダウンロード カラムから、追加したリモートオフィスに対応するエージェントをダウンロードします。
      2. 配信サーバーになるPCに移動し、ダウンロードした.zipファイルを解凍します。
      3. エージェントをインストールする対象のコンピューター名を列挙したcomputernames.txtファイルを作成します。
      4. コマンドプロンプトを管理者として実行し、解凍したzipフォルダー内のdirectsetupフォルダーに移動してsetup.batを実行します。
      5. 2を選択すると、バッチファイルを実行したコンピューターにWANエージェントがインストールされます。1を選択すると、指定する複数のコンピューターにWANエージェントがインストールされます(複数のコンピューターにWANエージェントをインストールするオプションを選択する前に、リモートオフィスの追加中にすべてのコンピューターを追加したか、抽出されたフォルダーの.txtファイルを編集し、エージェントをインストールする必要があるすべてのコンピューター名を追加したかを確認します。各コンピューターは個別の行で指定する必要があります)。
      6. プロンプトが表示されたら、続いて管理者のユーザー名とパスワードを指定します
リモートオフィスの管理対象となるPCには、ローカルエージェントとは異なるエージェント(リモートオフィスごとに異なるWANエージェント)をインストールする必要があります。ただし、既にローカルエージェントをインストールしたPCは、リモートオフィスに移動させることでWANエージェントに変更することができます。