スプレッドシートでの管理に限界を感じたら、次に選ぶべきインシデント管理ツールとは?
日々のインシデント対応をGoogleスプレッドシートやExcelで記録・管理している企業は少なくありません。手軽に共有できて便利ですが、対応漏れや優先順位の混在、リアルタイムでの進捗確認の難しさなど、運用を続ける中で不便さも見受けられます。
こうした課題を根本から解消するには、専用のインシデント管理ツールの導入が有効です。しかし、数あるツールの中から「自社にとって本当に適したもの」を選ぶには、どんな観点が必要なのでしょうか?オンプレミス型とクラウド型の比較をはじめ、スケーラビリティやAI機能、他ツールとの連携、コンプライアンス対応といった観点から、最適なインシデント管理ツールの選び方を解説します。
インシデント管理に専用ツールが必要な理由
ITインシデントは、「発生」よりも「その後どう対応したか」が企業の信頼を左右します。対応が遅れると、次のようなリスクを引き起こしかねません。
- 業務停止や売上損失などビジネス機会の損失
- 顧客からの信頼低下によるサービス評価の悪化
- 社内の混乱やIT部門の負荷集中
特に近年は、ITシステムが業務の根幹に深く関わるようになっており、1件の対応遅れが全社的な影響をもたらすケースも珍しくありません。このような背景から、「いかに迅速に、抜け漏れなく、適切な対応ができるか」を実現するために、多くの企業が導入しているのがインシデント管理ツールです。
たとえば、ManageEngineの ServiceDesk Plus は、ITIL®のベストプラクティスに基づいた設計により、以下のような対応を可能にします。
- SLAに準拠した対応フローで、対応漏れや遅延を防止
- インシデントの自動分類や自動割り当てにより、業務の属人化を解消
- リアルタイムの進捗管理とレポート機能で、IT部門の可視化と最適化
- ナレッジベースやAI*¹による支援で、自己解決率の向上
ツールを活用することで、単なる「記録」から、「予防」と「改善」へとインシデント管理を進化させることができます。
>>インシデント管理とは?ITIL®に基づくプロセスと最適な対応策オンプレミス vs クラウド:インシデント管理ツールはどちらを選ぶべき?
インシデント管理ツールを選定する際、まず検討すべきなのが「オンプレミス型」か「クラウド型(SaaS)」かという導入形態です。それぞれの特徴やメリット・デメリットを整理し、ServiceDesk Plusが提供する柔軟な選択肢についてもご紹介します。
- オンプレミス型ソリューションの特徴
オンプレミス型は、自社のサーバー環境にシステムを構築・運用する方式です。
メリット:- データを自社内で管理できるため、セキュリティポリシーが厳格な企業にも対応可能。
- 自社独自の業務フローに合わせた高度なカスタマイズが可能。
- 既存の社内システムと柔軟に連携しやすい。
- 導入時の初期費用が高額になりがちで、サーバー環境の構築が必要。
- 保守・運用、アップデート対応など、IT部門の負担が大きい。
- クラウド(SaaS)型ソリューションの特徴
クラウド型は、インターネット経由でサービスを利用する形態で、導入の手軽さが魅力です。
メリット:- 初期コストを抑えやすく、スピーディに導入可能。
- システムのアップデートが自動で行われ、常に最新の状態で利用できる。
- リモートワークや拠点分散型の運用にも対応しやすく、柔軟な働き方にフィット。
- データの保存先が外部になるため、セキュリティやデータ保護に関する懸念が生じやすい。
- オンプレミスに比べて一部カスタマイズ性に制限がある場合がある。
- インターネット接続が前提となるため、安定性の確保が重要。
クラウド利用時のセキュリティが不安?
ManageEngine ServiceDesk Plus Cloud(クラウド版)は、ISO/IEC 27001、27017、27018などの国際的なセキュリティ認証を取得しており、業界標準に準拠した安全性を確保しています。
>>ServiceDesk Plus Cloudが選ばれる3つの特長- ServiceDesk Plusはオンプレミス/クラウドベース両方に対応
ManageEngineのServiceDesk Plusでは、オンプレミス版とクラウド版(SaaS)を両方提供しており、企業のIT戦略や運用環境に応じて最適な形態を選択可能です。- オンプレミス版/クラウド版ともに、ITIL®ベースの機能(インシデント管理、サービスカタログ、変更管理など)を搭載。
- 3つのエディション(Standard、Professional、Enterprise)により、規模や目的に応じた導入が可能。
AI・連携・拡張性で比較!今、選ぶべきインシデント管理ツールの条件
インシデント管理ツールを選ぶ際には、単に「高機能」であることよりも、自社の業務フローや成長戦略にどれだけフィットするかが重要です。例えば、あまりにも複雑な管理機能が揃っているツールでは、現場の負担が増え、かえって対応スピードが落ちてしまう場合があります。また、サービスデスクのスタッフがテレワークや複数拠点から対応を行う場合、場所やデバイスに依存しない柔軟な運用環境も必須です。
最近では、AIを活用した自動化機能や、他システムとの連携性(API連携・チャット連携など)を重視する企業も増えており、「拡張性の高さ」も大きな判断軸となっています。
以下のような観点で比較・検討することをおすすめします。
- 1.クラウド/オンプレミスの選択肢があること
自社のセキュリティポリシーや将来のクラウド移行にも対応できる柔軟性を確保。 - 2.自社のインシデント管理運用にフィットするカスタマイズ性
ノーコード/ローコードでの設定変更が可能なツールなら、現場主導の改善もスムーズに実行できます。 - 3.導入・構築フェーズの支援サービスが充実していること
要件定義から運用定着まで伴走してくれるベンダー選びも、スムーズな立ち上げの鍵になります。
>>ServiceDesk Plus Cloudのオンボーディングサービスについて - 4.AI機能や自動化機能が充実しており、スピード対応が可能なこと
チケットの自動分類、優先順位づけ、担当者の自動割当などができれば、対応工数を大幅に削減可能。 - 5.導入実績が豊富で、自社と似た業種・規模での運用事例があること
導入イメージが湧きやすく、社内稟議の通過もしやすくなります。 - 6.スモールスタートが可能で、事業の成長や変化にあわせて段階的に拡張できること
初期導入は最小の構成で、後から機能追加やライセンス拡大ができるツールは、長期的に安心です。
インシデント管理ツール 選定ポイントチェックリスト
「インシデント管理ツール選びで迷ったら?」そんなときに役立つ、比較・検討のためのチェックリストをご用意しました。
チェック項目 | 内容 | ServiceDesk Plus |
---|---|---|
ITSMプロセスに対応しているか | インシデント管理に加え、変更管理や問題管理などのITIL®ベースのプロセスが組み込まれているか | ✅ |
クラウド/オンプレミスの選択肢があるか | 自社のポリシーにあわせて導入形態を選べるか。将来的に移行・切り替えも可能か | ✅ |
拡張性があるか | スモールスタートが可能で、将来的な機能追加やライセンス拡張が容易か | ✅ |
カスタマイズが柔軟にできるか | ノーコード/ローコードでの画面・項目調整や、独自の業務フローへの対応が可能か | ✅ |
AIや自動化機能が搭載されているか | チケット分類、担当者自動割当、通知などをAIで効率化できるか。あるいは自動化機能が充実しているか | △*¹ |
できるか 外部システムとの連携ができるか | APIやチャットツール、ワークフロー連携(Slack, Teams等)が可能か | ✅ |
セキュリティ対策が十分か | データ保護・アクセス制御、監査ログなど、情報管理面の機能が備わっているか | ✅ |
導入/構築支援が受けられるか | ツール導入前後のサポート体制が整っており、スムーズに立ち上げられるか | ✅ |
価格体系が柔軟であるか | 機能ごとのエディション選択ができ、予算に合わせた導入が可能か | ✅ |
導入実績が豊富か | 自社と同規模・同業種の企業での導入事例があるか | ✅ |
インシデント管理に専用ツールを導入するメリットとは
インシデント管理ツールの導入で得られるのは、単なる「対応の抜け漏れ防止」や「可視化」だけではありません。現代のインシデント管理には、業務全体の最適化やコスト抑制、ユーザー体験の向上といった、より広い視点での効果も求められています。
たとえば、ServiceDesk Plus のようなツールであれば、以下のような付加価値を得ることが可能です。
- 運用コストと人的リソースの最適化
AI*¹あるいは自動化機能による自動分類・対応割当、ナレッジベースの活用により、属人化を排除し、対応工数を削減。限られたIT人材でも、高水準のサービスレベルを維持できます。 - ユーザー満足度の向上と“自己解決力”の強化
エンドユーザーがポータル経由で自分自身で解決策を見つけられるようになるため、問い合わせ件数を減らすことが可能です。 - 複数部門・グループ企業でも共通運用が可能
部門や子会社間でのインシデント管理を標準化でき、統合ITガバナンスの実現にもつながります。特にマルチテナント環境に対応した構成であれば、情報を分離しつつ一元管理が可能です。 - コンプライアンス対応・監査性の向上
ログ管理、アクセス制御、対応履歴のトレーサビリティが確保されており、IT統制やISMS認証の取得・維持にも有利です。
こうした包括的な視点からも、スプレッドシートや汎用ツールによるインシデント管理ツールでは実現できない、業務の「質」を高める運用が、ServiceDesk Plusなら可能になります。ITIL®準拠の高度なプロセス管理機能を備えつつも、中小規模の組織や企業でも段階的に導入できる柔軟性と価格帯が魅力です。
まずは無料トライアルやオンラインデモで、実際の使いやすさをご体感ください。
*¹ 2025年4月現在:AI機能は「米国もしくは英国データセンター」かつ「設定言語が英語」の環境でのみ利用可能です。AI機能の詳細は、グローバルページ(英語)をご覧ください。
よくあるご質問:インシデント管理ツール選定時のポイント
どんなインシデント管理ツールを選べばいい?
自社の業務フローに適合し、クラウド対応・AIによる自動化・ITIL®準拠・外部ツールとの連携などが可能なものを選ぶと、長期的にも運用しやすくなります。
インシデント管理ツールの選定でよくある失敗は?
機能が多すぎて使いこなせない、現場に合わない仕様、カスタマイズに手間がかかる、といった理由で定着しないケースがあります。導入前に「運用のしやすさ」を重視することが大切です。
クラウド型とオンプレミス型、どちらがいい?
セキュリティ要件や運用体制によって異なります。柔軟に選べるツールを選び、将来的にクラウド・オンプレミス間の切り替えが可能な製品を選ぶのが安心です。
インシデント管理ツールの導入にはどれくらいのコストがかかりますか?
ツールによって異なりますが、月額課金のクラウド型であれば初期費用を抑えた導入が可能です。ServiceDesk Plusでは、規模に応じたエディションとライセンス体系が選べます。
小規模なチームでもインシデント管理ツールは必要ですか?
はい、対応漏れや属人化を防ぐうえで、規模に関係なく専用ツールは有効です。スモールスタートができる製品を選べば、小規模でも導入しやすくなります。
ServiceDesk Plusの特長は何ですか?
オンプレミス/クラウド両対応、ITIL準拠、自動化・ナレッジベース搭載など、幅広い企業ニーズに対応可能です。無料トライアルや導入支援も充実しています。