ServiceDesk Plusで実現する、インシデント再発防止とITSMの継続的改善

インシデント再発防止対策:インシデント対応を仕組み化するITSM改善

インシデント対応は、ただ問題を解決して終わりではありません。インシデント後のレビューと継続的な改善こそ、将来のトラブルを減らすための本質的な対策です。そのためには、根本原因分析のための洞察と、今後のインシデント防止に向けたITSMプロセスの強化が欠かせません。ServiceDesk Plusは、インシデントの再発防止に向けたアクションを定着させるための、実用的なソリューションを提供します。

根本的な原因分析のための洞察の取得

インシデントの再発を防ぐには、「なぜ起きたのか?」を深く掘り下げることが欠かせません。点在する情報を整理・可視化し、関係者全員が状況を正しく共有できる仕組みが必要です。ここでは、インシデント発生時に役立つ、情報収集・分析・共有のプロセスについてご紹介します。

【情報収集】標準化と一元化によるデータ収集・記録

  • インシデント記録テンプレートの活用
    発生状況・影響範囲・対応内容などを漏れなく記録します。
  • タイムラインの明確化
    インシデント発生から復旧までの流れを時系列で整理することで、原因を究明しやすくなります。
  • 関連データの自動収集と集約
    ログやメトリクスを自動的に取り込み、担当者の記録負荷を減らしながら正確なデータを蓄積。

【分析】可視化と分析技術の活用

  • ダッシュボード・レポート機能
    ダッシュボードなどを利用し、インシデント状況や影響範囲をわかりやすく把握し、チーム内外とのコミュニケーションを円滑化。
  • AI/機械学習を用いたパターン分析
    過去のインシデントやログの傾向を分析し、早期の警告や類似問題の特定を可能にします*¹。
  • 変更管理との連携
    インシデント発生前後のリリース情報や設定変更をあわせて確認し、変更が原因となっている可能性を洗い出します。

【共有】 ナレッジの共有と組織的な改善プロセス

  • 解決策のナレッジベース化
    根本原因や対処方法を整理・登録し、将来的なトラブルシューティングを迅速化。
  • 定期的なレビュー会の実施
    サービスデスク担当者・技術者・管理者が共同で振り返りを行い、多角的な視点から再発防止策を検討します。
  • 継続的な改善 (PDCAサイクル)
    分析結果をもとに運用ルールやITSMプロセスを見直し、再発防止や効率化につなげます。

インシデント再発防止のための、ITSMプロセスの強化

インシデントの根本原因分析で得られた洞察を「将来のインシデント防止」に活かすには、ITSMプロセス全体を見直し、継続的に強化していく必要があります。ここでは、根本原因分析の成果を実際の改善アクションへとつなげるために取り組むべき3つの要点をご紹介します。

【要点1】 プロアクティブな問題管理の実践

根本原因分析で得た知見を活かし、未然防止型の問題管理(Problem Management)を定常業務に組み込みます。たとえば、過去のインシデントに共通するリスクパターンを洗い出し、構成変更につなげるなど、ITSMプロセスを「再発防止の仕組み」として機能させます。

💡ServiceDesk Plusのポイント

問題管理モジュールを活用すれば、インシデントから問題への移行、原因特定、対策の履歴化までを一元的に管理でき、次のインシデント発生リスクを低減します。

>>インシデントの原因究明を問題管理ツールでシステム化

【要点2】 変更管理と構成管理の連携強化

インシデントの多くは、構成の変更や不整合から発生します。変更管理と構成管理の連携を強化し、変更前後の状態を可視化・追跡可能にすることで、リスクの高い変更を事前に回避できる体制を整えます。

💡ServiceDesk Plusのポイント

CMDB(構成管理データベース)と変更管理が連携しており、構成アイテムの依存関係や変更履歴をリアルタイムで把握できるため、スムーズかつ安全なリリースが可能になります。

>>CMDB(構成管理データベース)について詳しく解説

【要点3】 継続的改善(CSI)を実行に移すための体制構築

分析結果を蓄積するだけでなく、それを継続的サービス改善(CSI)に落とし込むための、明確な体制やルールが必要です。KPIの見直し、SLAの調整、改善タスクの定期レビューなど、洞察から改善への「アクション化」を仕組みとして確立します。

💡ServiceDesk Plusのポイント

KPIレポートやSLA管理機能が充実しており、インシデントや問題管理の結果をダッシュボードで可視化。継続的改善の成果を定量的に評価しながら、プロセスの最適化を推進できます。

>>サービスレベル管理(SLA管理)をツールで自動化する方法

インシデントの再発防止には、「発生後の対応」だけでなく、「根本原因の特定」から「仕組みとしての改善定着」までを、一連のプロセスとして捉えることが重要です。情報の一元管理、ナレッジの活用、構成変更との因果関係の把握、継続的なプロセス改善など、ITSMの各プロセスを有機的に連携させることが、組織全体のサービス品質向上につながります。

ManageEngineの ServiceDesk Plusは、インシデント管理だけでなく、ナレッジベース構築、問題・変更管理、SLA追跡までを網羅したITSMプラットフォーム。再発防止のためのPDCAを現場レベルで「実行可能な仕組み」としてサポートします。

*¹ 2025年4月現在:「米国もしくは英国データセンター」かつ「設定言語が英語」の環境でのみ利用可能です。AI機能の詳細は、グローバルページ(英語)をご覧ください。