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Office Click-to-Run 設定


この記事では、Desktop Central 10.1.2137.1 以降のビルド(Endpoint Centralの各ビルドを含む)で導入された Office Click-to-Run(クイック実行、C2R)設定 について説明しています。なお、ご利用中のビルドによっては、表示言語に日本語を選択している場合でも一部英語表示となる箇所があります。

Office Click-to-Run設定

クイック実行(Click-to-Run)パッチ設定の目的

クイック実行形式は、Officeアプリケーションのインストールおよび更新プログラム(パッチ)のインストールの効率化のためにMicrosoftが導入したものです。必要な通信量の削減が可能な一方で、アプリケーション実行中にパッチを適用できない / エージェント単位でみると必要な通信量が大きい といった問題があります。
これらの問題への対応に加え、サポート対象の言語パックの拡大やユーザーに手動インストールを許可する機能を追加するため、Desktop Central 10.1.2137.1 において Office 365クイック実行(Click-to-Run)設定機能が実装されました。

クイック実行/Click-to-Run(C2R)形式とは
Click to Run(C2R)形式は、Microsoft Office 2010 の一部から導入され、それまでの Windows インストーラー(MSI)形式に代わり、Microsoft Office 2016 以降および Microsoft 365 ではすべてのバージョンがこのClick-to-Run形式で提供されています。日本語では「クイック実行形式」とも呼ばれます。
Microsoft Office アプリケーションやパッチはこのClick-to-Run形式でベンダーから提供されます。C2R形式は仮想化技術を使用してストリーミングでバイナリファイルをダウンロードするため、通信量を従来より削減可能とされています。
Click-to-Run形式はストリーミングを使用しているため、ダウンロード完了前でも Office アプリケーションを実行できます。ダウンロード完了後、Office アプリケーションは仮想化されたアプリケーション空間に保存され、実行中の Office と区分されます(そのため、複数バージョンの Office が実行可能になります)。

参考:インストールのOffice クイック実行および関連するマルウェア対策アプリケーションに関する情報(Microsoft)

 


Office Click-to-Run設定でできること

Officeアプリケーション実行中にパッチを適用する場合の挙動を指定できます。
パッチをダウンロードする際に以下を合わせてダウンロードするかどうかの設定が可能です。これにより、不要な言語パックを削除することで、配布する更新プログラムの容量を削減します。

  • 言語パック(Language Packs)
  • 追加校正ツール(Additional Proofing Tools)

また、管理対象で検出された言語について、自動的に言語パックを追加できます。その時点で利用可能な以前のバージョンのパッチについても、追加された言語の分を再ダウンロードできます。

 


Office クイック実行(Click-to-Run) 設定の手順
  1. コンソール画面に管理者(Administrator)としてログインし、「パッチ管理」タブ →「設定」→「Office Click-to-Run 設定」を開きます。
  2. アップデートと一緒にダウンロードする言語パック(Language Packs to be downloaded with the updates): 管理対象で検出されたOSの言語が表示されています。必要に応じて、Officeに追加したい言語パックを入力/不要な言語パックを削除します。
  3. 追加の構成ツール(Additional Proofing Tools): 追加したい追加校正ツールの言語をプルダウンから選択します。
    管理対象においてすでに校正ツールがインストール済みの場合、インストール済みの校正ツールが選択済みであることをかならず確認してください。
  4. 管理対象で新たな言語が検出された場合に、自動的に言語パックを追加する場合は「ネットワークで検出されたOffice Click-to-Runアプリケーション言語を自動的に言語パックリストに追加する」(Automatically add Office Click-to-Run application languages, newly discovered in the network to the selected Language Pack list)にチェックを入れます。また、その際に以前のパッチについても、新たな言語パックに対応するものを自動的にダウンロードする場合は合わせて「新しく追加された言語パックで古いアップデートを再ダウンロードする」(Re-download old updates with the newly added language packs)にチェックを入れます。
  5. 配信サーバーのためのダウンロードソース(Download source for Distribution Servers): 配信サーバーに複製するファイルのコピー元を Microsoft CDN または Centralサーバーのどちらかから選択します。
    Centralサーバーが設置されたネットワークの帯域幅消費を抑えるためには、基本的に Microsoft CDNを選択することをおすすめします。
  6. Officeアプリケーション使用中のインストールについて設定する(How would you like to proceed with installation when Office applications are in use): Officeアプリケーション実行中にパッチが適用される場合の挙動について選択します。
    • 使用中のアプリケーションを強制的にクローズしアップデートする(Close application in use forcefully and then update): Officeアプリケーションを強制的に終了し、パッチを適用します。
    • Officeアプリケーション使用中にアップデートをインストールしない(Do not install updates when an Office application user): Officeアプリケーション実行中の配布を中止します。
    • アップデート時、エンドユーザーにスキップまたは使用中のアプリケーションをクローズしアップデートの進行を許可する(Allow the end-user to skip/close the application in use and proceed with the update): ユーザーがパッチ適用を延期するか、Officeアプリケーションを閉じて適用するか選択できます。
  7. [保存]をクリックします。

Office Click-to-Run 設定を構成すると、ODT(Office Deployment Tool)によってEndpoint CentralサーバーにC2R形式のパッチがダウンロードされ、zipとして保存されます。それ以降のOfficeパッチ配布においてはエージェントはこのパッチ全体をダウンロードせず、必要なファイルのみをダウンロードします。これにより、配布時の帯域幅消費を低減します。また、管理対象に複数言語が含まれる場合の管理を簡単にします。
 
Office Click-to-Run設定後にパッチを1回以上適用した場合、UpdateURLがリセットされるため、Click-to-Run(C2R)形式Officeアプリケーションの手動更新が可能になります。

この記事は、こちらを参考に作成されています。