Endpoint Central オンプレミス版 ナレッジベース

OS配布機能の概要


Desktop Centralは、OS配布機能を用いてOSクローニングを実行できます。マスターイメージを作成し、テンプレートでカスタマイズしたイメージを配布できます。この記事では、OS配布機能の概要について説明しています。
なお、機能説明につきましては、Windows OSのクローニング・展開を自動化する方法もあわせてご覧ください。

OS配布機能は、日本語でのサポートに対応しておりません。

OS配布機能のワークフロー

Desktop CentralのOS配布機能は、機種に依存しないマスターイメージの配布や柔軟な設定が可能です。
  1. マスターイメージの作成: 参照するPC(マスターPC)を選択し、対象とするパーティションと圧縮率、メモリ使用率、イメージ保存先を選択してイメージを作成します。イメージを作成したシステムからのドライバーを自動的に取得し、ネットワーク上のドライバーリポジトリに保存します。ベンダー・ハードウェアの種類ごとにドライバーを取得することもできます。
     
  2. テンプレートのカスタマイズ: イメージ配布後のアクションや、ドメイン参加やユーザーの追加、アプリケーション、デバイスドライバーのインストールなどを設定するテンプレートを作成します。
     
  3. 起動可能メディアの作成: Windowsプレインストール環境メディア(Windows PEメディア)を作成し、配布先のコンピューターに接続します。
     
  4. イメージの配布: 配布テンプレートを選択し、配布モード、配布スケジュールを設定します。配布時にパスワード認証を設定することもできます。
     
  5. 配布状況の確認: OSイメージ配布の進捗状況や配布の成功・失敗を確認できます。
     

Desktop Central OS配布機能の特長

(1)マスターイメージの作成が簡単

OSイメージとは、コンピューターのディスク内に保存されているデータの完全なコピーです。OSイメージはベアメタルPC(OSやソフトウェアなどがインストールされていないまっさらな状態のPC)や、OSが破損したPCに配布できます。

一般的なOSクローニングは、マスターPCのディスクを完全にコピーしたマスターイメージを、完全に同一なモデルのPCに対して配布します。ソフトウェアのインストールや設定などを事前に全て作りこむ必要があるため、マスターPCの設定にミスが無いか検証するのには手間と長い時間がかかります。また、機種ごとやバージョンごとにマスターイメージを作成しなければなりません。

Desktop CentralのOS配布機能は、イメージのカスタマイズが可能であり、デバイスドライバーを追加することで機種を問わず配布可能です。
また、OS配布後でもDesktop Centralの機能を用いて設定の変更や修正、ソフトウェアの配布が簡単に実行できます。
オンラインイメージ作成/オフラインイメージ作成機能があり、オンラインイメージ作成では、マスターPCを再起動せずにマスターイメージを作成可能です。オフラインPCのディスクイメージ作成では、Windows PEメディアを利用して、ネットワーク内のシャットダウンされたPCのイメージを作成することが可能です。

(2)ハードウェアに依存しないOSイメージの配布が可能

作成したOSイメージをメーカーやモデルが異なるPCにも配布できます。その場合、モデルごとに必要なデバイスドライバー(ネットワークドライバーやUSBドライバーなど、デバイスドライバー)を追加する必要があります。デバイスドライバーがなければ、PCは機能の一部が使用できません。
Desktopは、マスタイメージを作成中、マスターPCのデバイスドライバーを自動的に収集します。収集したドライバーは、作成されたマスターイメージと同様に、ネットワーク上の共有リポジトリに保存されます。そのため、デバイスドライバーを簡単にテンプレートに組み込み、再配布できます。また、不足するデバイスドライバーを手動で追加することもできます。
デバイスドライバーがリポジトリに追加された後、OS配布は以下のように進行します。

  1. 配布先のコンピューターは、Windows PEメディアを接続してネットワーク環境で起動されます。
  2. OSイメージがターゲットコンピューターに配布されます。OSを起動する前に、Windows PEに含まれるOS配布コンポーネントは、配布されたOSイメージに必要なドライバーをリポジトリから自動的に追加します。
  3. OSの起動後、Desktop CentralのOS配布コンポーネントはドライバーをターゲットコンピューターに自動的にインストールします。
(3)柔軟なカスタマイズ

部門やロールに合わせたテンプレートを作成し、配布するOSイメージを柔軟にカスタマイズできます。

  • 配布するパーティションの選択
  • パーティション分割や拡張
  • 配布後の設定
    • ホスト名
    • ドメイン追加
    • ユーザーアカウント追加
    • ソフトウェアインストール
  • モデル固有の設定(MACアドレスとサービスタグを利用して個別に設定も可能)
(4)簡単な配布ターゲットの指定

MACアドレスまたは認証パスコードで配布先のPCを指定します。管理者はこのパスコードを一般社員に共有し、OSイメージ配布を一般社員に任せることも可能です。
また、数台のPCに対して1台ずつイメージを配布するユニキャストモード、より多数のPCに対して同時にイメージ配布するマルチキャストモードがご利用いただけます。設定により、マルチキャストモードでも使用する帯域幅を制限することが可能です。配布にはスケジュール機能があり、時刻を指定した配布も可能です。
パスコードを使用して配布先を指定する場合は、タスクを指定、またはテンプレートを指定して、ターゲットコンピューターがManageEngine DesktopCentralサーバーに接続していることを確認し、一意の4桁のコードをターゲットコンピューターに入力してイメージを配布します。
MACアドレス、IPアドレス、およびサブネットマスクの詳細を指定して、コンピューターをリモートで起動し、配布を開始します。

マルチキャストモードにおける注意点

  • マルチキャストモードでの配布にはインターネットグループ管理プロトコル( IGMP )が使用されます。そのため、ルーター/スイッチでIGMPが有効になっている必要があります(ルーターとスイッチの構成に関する詳細情報は、ハードウェアの説明書で確認できます)。
  • マルチキャストモードでの配布では、239.255.20.20~239.255.20.29の範囲のIPアドレスと、ポート20001を使用します。
    これらのIPアドレスとポートが他のプロセスで使用されていないことを確認してください。
(5)ブートメディアの選択

ブートに使用されるメディアにはWindows PEコンポーネントが含まれています。Windows PEコンポーネントは、ターゲットコンピューターへのイメージ配布を開始する主要なコンポーネントです。ブートメディアは以下の3種類から選択できます。

  • USB
    起動に関連する設定は、製品コンソール内で構成し、USBドライブに保存できます。USBドライブをターゲットコンピューターに挿入すると、起動が完了し、配布が開始されます。少数のコンピューターへの配布を計画している場合は、この方法を使用できます。
  • ISO
    構成された設定は、ISOファイルとしてダウンロードし、CDまたはDVDに書き込むことができます。ターゲットコンピューターのドライブにCDまたはDVDを挿入すると、起動と配布が開始されます。ISOメディアは、仮想マシンの起動に適しています。
  • PXE
    ブート設定とコンポーネントは、PXEサーバーでホストできます。PXEサーバーは、ターゲットコンピューターにアクセスし、ブートプロセスを実行します。このPXEサーバーのセットアップを簡素化するために、Desktop CentralにはPXEサーバーがあらかじめバンドルされています。必要なのは、ターゲットコンピューターの詳細を使用してDHCPサーバーを構成することだけです。このメディアタイプは、他のメディアタイプよりも速く複数のコンピューターを起動します。したがって、広範なコンピューターにオペレーティングシステムをインストールする場合は、このオプションを使用する必要があります。
(6)リモートオフィスへの配信

Desktop Centralの配信サーバーを経由することで、リモートオフィスにもOSイメージを配信します。

  1. 作成したOSイメージを配信サーバーに複製します。
  2. 配布に使用した設定を再構成して、リモートオフィスからの配布タスクを設定します。