Patch Manager Plus Cloud ナレッジベース

IPスコープ機能


この記事では、リモートオフィスに所属する管理対象コンピューターを外部に持ち出して他のリモートオフィスに接続した際、エージェントが所属するリモートオフィスを自動的に変更するIPスコープ機能について説明しています。

IPスコープ機能

Patch Manager Plusエージェントは、所属するリモートオフィスが固定されています。そのため、事前の設定なしに他のリモートオフィスへ管理対象コンピューターを移動しても、エージェントが所属と異なるリモートオフィスに接続して通信することは通常できません。
このIPスコープ機能を事前に設定することで、管理対象PCが所属するリモートオフィスとは異なるリモートオフィスに接続した際に、エージェントが接続しているリモートオフィスを判定し、所属リモートオフィスを自動的に変更します。
これにより、管理可能な状態を継続できます。
IPスコープ機能の概要

IPスコープ機能は、管理対象コンピューターのローカルIPアドレスに応じて所属するリモートオフィスを自動的に変更する機能です。

 
以下の状況を例に、IPスコープ機能について説明します。

オフィス リモートオフィスA リモートオフィスB リモートオフィスC
配信サーバー(DS) DS-A (なし) (なし)
対応するサイト 本社 営業所 各社員の自宅
IPアドレスの範囲 10.0.24.1-10.0.24.254 10.0.25.1-10.0.25.254 その他(既定のリモートオフィス)

 

  • 本社(A)には配信サーバーが設置され、本社内のLANにはリモートオフィス(A)が設定されています。本社のLANのDHCPサーバーが割り当てるIPアドレスは 10.0.24.2 - 10.0.24.254 です。
  • 支社(B)には配信サーバーが設置され、支社内のLANにはリモートオフィス(B)が設定されています。支社のLANのDHCPサーバーが割り当てるIPアドレスは 10.0.25.1 - 10.0.25.254 です。
  • 在宅勤務者向けに、Patch Manager Plus Cloudに直接通信するローミングユーザーのリモートオフィス(C)が設定されています。

この場合、IPスコープ機能を設定することで、Patch Manager Plus エージェントは以下のように動作します。

IPスコープの設定

  • リモートオフィス A のIPアドレス範囲: 10.0.24.2 - 10.0.24.254
  • リモートオフィス B のネットワークサブネット: 10.0.25.0 サブネットマスク 255.255.255.0
  • リモートオフィス C: 「既定のリモートオフィス」に設定
  1. Patch Manager Plusエージェントがインストールされたコンピューター1にはリモートオフィスAに所属し、配信サーバーDS-Aと通信しています。
  2. コンピューター1を支社(B)に持ち出すと、支社LANのDHCPサーバーからローカルIPアドレス10.0.25.3が割り当てられたとします。
  3. エージェントはローカルIPアドレスとIPスコープの範囲を比較し、リモートオフィス(B)に接続されたと判断します。自動的に設定が変更され、リモートオフィス(B)に所属するエージェントとして通信します。
  4. コンピューター1を自宅に持ち帰り、自宅の無線LANに接続します。自宅無線LANでは、コンピューター1に192.168.1.2が割り当てられたとします。
  5. エージェントはローカルIPアドレスとIPスコープの範囲を比較し、リモートオフィス(A)、(B)のいずれでもないことから、既定のリモートオフィスに接続されたと判断します。自動的に設定が変更され、リモートオフィス(C)に所属するエージェントとして通信します。
コンピューターの所属するリモートオフィスが変更された時点で、そのリモートオフィスを対象として指定された構成がある場合、その構成が適用されます。

 


IPスコープ機能を利用するための前提条件
  • 各リモートオフィスで使用されるローカルIPアドレスに重複がなく、事前に把握されていること。
  • 管理対象PCが別のリモートオフィスに移動する前のリフレッシュサイクル以前に、IPスコープの設定が完了していること。

 


IPスコープの設定手順
(A) 手動登録

以下の手順でIPスコープを設定します。

  1. 管理タブ > SoM設定 > IPスコープ > [+ IPスコープの追加] をクリックして開きます。
  2. リモートオフィスを選択し、IPアドレス範囲またはサブネットを設定します。
  3. [保存]をクリックします。
  4. 同様にして、すべてのローカルオフィス/リモートオフィスに対して、IPスコープを設定します。

 

(B) CSVファイルのインポート
  1. 管理タブ > SoM設定 > IPスコープをクリックして開きます。
  2. ファイルインポートアイコンのある[IPスコープを入力してください] をクリックして開きます。
  3. 以下のようなCSVファイルを用意し、CSVファイルにファイルをドラッグ&ドロップして[保存]をクリックします。詳細は、表示されている「例」をご覧ください。

    (例) REMOTE_OFFICE_NAME,IS_IP,START_IP,END_IP,IS_SUBNET,SUBNET_IP,SUBNET_MASK,DESCRIPTION
    LocalOffice,yes,10.0.24.2,10.0.24.254,no,,,HQ_Office
    RemoteOfficeB,yes,10.0.25.2,10.0.25.36,no,131.121.121.13,10.0.,255.255.255.0,Branch_Office_B

 

既定のリモートオフィスの有効化
デフォルトのリモートオフィスを有効化すると、割り振られたIPアドレスがIPスコープに登録されたどのリモートオフィスにも該当しない場合、エージェントは既定のリモートオフィスに接続したとみなします。在宅勤務者などのローミングユーザーなどの場合、この設定を有効化します。

  1. 管理タブ > SoM設定 > IPスコープをクリックして開きます。
  2. [既定のリモートオフィスを設定する] をクリックして開きます。
  3. 「デフォルトリモートオフィスを可能にします」 にチェックを入れます。
  4. 既定のリモートオフィスをリストから選択します。
  5. [保存]をクリックします。