オンプレミス版とクラウド版の機能差異
作成日:2020年8月14日 | 更新日:2023年11月6日
確認ビルド: Endpoint Central 11.2.2300.30
このナレッジでは、Endpoint Central (Desktop Central) オンプレミス版とEndpoint Central Cloud(クラウド版)の機能差異についてまとめています。
Endpoint Central オンプレミス版とEndpoint Central Cloud(クラウド版)の機能差異
Endpoint Central (Desktop Central)オンプレミス版とクラウド版の特長
Endpoint Central (旧称Desktop Central)にはオンプレミス版とクラウド版があります。2023年11月現在、利用可能なEditionに差異があります。
クラウド版は2020年7月にZoho Corporationより Desktop Central Cloud としてリリースされ、2020年12月から日本でのサポートを開始しました。
2022年後半より製品上の表示を順次Endpoint Centralに切り替え、2023年に製品名をDesktop CentralからEndpoint Centralへ変更いたしました。
2023年6月より、Enterprise Editionに加えて、上位のUEM Editionの日本語でのサポートを開始いたしました。
製品機能の概要は製品ページをご覧ください。また、クラウド版に関するナレッジはEndpoint Central Cloudナレッジベースをご覧ください。
オンプレミス版とクラウド版それぞれの特長は以下の通りです。
- オンプレミス版では、アップグレードのタイミングをコントロールできます。クラウド版は機能追加などのアップグレードが自動的に実行されます。
- 新しいOSへのサポート開始はクラウド版・オンプレミス版でほぼ同時か、クラウド版が若干早い傾向にあります。
- 一部機能がクラウド版で利用できないものの、オンプレミス版とクラウド版の機能差異は縮小傾向にあります。そのためご利用環境や運用方針に応じた利用をご検討ください。機能差異の詳細は以下の具体的な機能差異をご確認ください。
〇クラウド版は、サインインすればすぐに使い始めることができます(環境や規模によってはWindows Serverをご用意いただき、配信サーバーを設置する必要がある場合がございます)。
△オンプレミス版においては、Endpoint Centralをインストールするための Windows Server を用意する必要があります。
テレワーク端末やモバイルデバイスなど、社外の端末の管理
〇クラウド版では、そのままご利用いただけます。
△オンプレミス版では、DMZ環境にセキュアゲートウェイサーバー(有料オプション)を設置する必要があります。
仮想プライベートクラウド(VPC)環境や物理/仮想マシンなどのサーバーの管理
〇オンプレミス版の利用がおすすめです。
△クラウド版を利用する場合、通信に関して入念な検証が必要です。かならず評価版でご検証ください。
AWS EC2インスタンスなどパブリッククラウド環境の管理
〇オンプレミス版の利用がおすすめです。AWS上などパブリッククラウドのインスタンスにサーバーを構築することもできます。
△クラウド版を利用する場合、入念な検証が必要です。かならず評価版でご検証ください。
インターネット接続のない閉域ネットワーク環境の管理
〇オンプレミス版ではインターネット接続のない環境も管理できます。
×クラウド版では、インターネット接続できない環境を管理できません。
オンプレミス版とクラウド版のシステム構成の差異
- Endpoint Central オンプレミス版では、Endpoint CentralをWindows Serverへインストールし、管理対象にエージェントをインストールすることが必須です。その他必要に応じて配信サーバー、セキュアゲートウェイサーバー、MS SQLサーバーを設置します。
Endpoint Central Cloud(クラウド版)では、管理対象へのエージェントのインストールが必須で、必要に応じて配信サーバーを設置します(その他の要素は不要です)。 - Endpoint Central Cloud(クラウド版)は、オンプレミス版におけるサーバーをクラウド上に移行した構成です。クラウドはZohoが運営するデータセンターでホストされ、Zohoが管理します。
- パッチ管理において、オンプレミス版ではEndpoint Centralサーバーがファイルをダウンロードする一方、Endpoint Central Cloud(クラウド版)では各エージェント(および配信サーバー)がパッチファイルをダウンロードします。
- Endpoint Central オンプレミス版、Endpoint Central Cloud(クラウド版)ともに、ネットワーク帯域消費を抑える必要のある場合は、配信サーバーを設置して対応します。そのため、クラウド版であってもWindows Serverが必要になるケースがあります。
オンプレミス版とクラウド版の具体的な機能差異
- 管理対象:
- ◆ エージェント/サーバー間の証明書認証はクラウド版ではご利用いただけません。
- パッチ管理機能:
- ◆ オンプレミス版では通常Endpoint Centralサーバーがパッチをダウンロードし、必要なコンピューターに配布します。一方でクラウド版では、基本的に各エージェントが直接ベンダーサイトからパッチをダウンロードし、インストールします(配信サーバー配下のWindowsエージェントのみ、配信サーバーがパッチをダウンロードして配布します)。帯域消費を抑えたい場合には、配信サーバーの設置が有効です(オンプレミス版でも有効な対策ですが、クラウド版では特に効果的です)。
- ◆ クラウド版では、Windows 10 から 機能更新プログラムを使用した Windows 11 Enterprise Edition へのアップグレードは、クラウド版では配信サーバーの設置が推奨されます(ソフトウェア配布機能を使用することで、配信サーバーなしでも対応可能ですが、配布時の帯域消費が大きくなります)。
- Rocky Linuxのパッチ管理は、2023年11月現在クラウド版のみ対応しています(11.2.2304.01以降のビルドにおいて、オンプレミス版でも利用可能になる予定です)。
- ソフトウェア配布機能:
- ◆ ソフトウェアリポジトリを設定するには、クラウド版の場合配信サーバーの設置を推奨します(配信サーバーを設置しない場合、パッケージの作成時にクラウドへソフトウェアをアップロードする必要があります。配布時の帯域消費が大きくなる恐れがあります)。
- インベントリ管理機能:
- クラウド版ではクエリレポートの作成はご利用いただけません。コンソール画面からは既定のレポートのみご利用いただけます。既定のレポート以外が必要な場合はサポートまでご相談ください。
- レポート機能:
- ◆ クラウド版ではADレポートをご利用いただけません。
- クラウド版では、クエリレポートの作成はご利用いただけません。コンソール画面からは既定のレポートのみご利用いただけます。既定のレポート以外が必要な場合はサポートまでご相談ください。
- リモート制御機能:
- ◆ クラウド版のコミュニケーションツールは、テキストチャットのみご利用可能です(通話/ビデオ通話はご利用いただけません)。なお、クラウド版のリモート制御(画面共有)にはZoho Assistを内部的に使用しています(Endpoint Central Cloudのライセンスのみでご利用いただけます)
- エージェントのインストール方法:
- ◆ クラウド版では、コンソール画面からのプッシュインストールを利用する場合、配信サーバーが必須です。
- クラウド版ではエージェントインストールの再試行回数を指定できません。
- ドメインコントローラーとの同期:
- ◆ クラウド版では、配信サーバーを設置しない場合、ADドメイン情報の同期はご利用いただけません。また、同期できるドメインコントローラーは1台のみとなります。
- 連携機能:
- ServiceDesk Plus Cloudとの連携について、利用可能な機能に差異があります。
- クラウド版とServiceDesk Plusオンプレミス版の連携には対応していない場合があります。
ServiceDesk Plusオンプレミス版のIT資産管理機能を利用する場合、 ServiceDesk Plus 11.3以降においてエージェントスキャンにはEndpoint Central エージェントが必要となりました。そのため、ServiceDesk Plus オンプレミス版の資産管理の対象(=Endpoint Centralオンプレミス版エージェントがインストール済みのコンピューター)においては、Endpoint Central Cloudエージェントをインストールすることができません。 - クラウド版では、追加アドオンはご利用いただけません。(エディションを変更する必要があります)
- その他:
- ◆ クラウド版では、OS配布機能を利用する場合に配信サーバーが必須です。
- クラウド版では、SMS通知はご利用いただけません。
- オンプレミス版では、通知機能を使用する場合にメールサーバー(クラウドのメールサービス等でも可能)が必要です。
- ◆ クラウド版では、リモートDBアクセスはご利用いただけません。
- ◆ クラウド版では、オフライン環境(閉域ネットワーク)での使用には対応しておりません。
- オンプレミス版で社内ネットワーク以外に接続されたデバイスを管理する場合、DMZ上にリバースプロキシとして動作する「セキュアゲートウェイサーバー」を設置する必要があります。
- 管理対象デバイスが5000台を超える場合、オンプレミス版ではMS SQLサーバーが必要になります。
- 管理対象デバイスが2万台を超える大規模環境の管理をご検討の場合は、別途ご相談ください。
- プロキシ設置環境下でご利用の場合、かならず評価版を使用してご検証ください。環境によってはクラウド版が利用できない可能性があります。
- オンプレミス版では、Windows/Macコンピューターのモバイルデバイスとしての管理(モダンマネジメント)にはライセンス上の制限から対応しておりません(モダンマネジメント機能はEndpoint Central UEM Editionにおいてのみ可能です。今後日本語でのサポート開始を予定しています)。
なお、Endpoint Central Cloudはインターネット側からアクセス可能なことから、リモート拠点の管理や、社外からコンソール画面へのアクセスが簡単にできるメリットがあります。要件に合わせてオンプレミス版/クラウド版をお選びください。
オンプレミス版からクラウド版への移行について
Endpoint Central オンプレミス版からクラウド版に移行することができます。その際は、以下の点にご注意ください。
- Endpoint Centralオンプレミス版とクラウド版では、ご利用いただける機能に差異がございます。先にクラウド版をご評価いただき、よくご確認のうえで移行をご検討ください。
- Windowsエージェントを移行することができますが、配信サーバーやリモートオフィスは再度構築する必要があります。
- これまでの構成、設定やサーバー内のDBに保存されたデータ等は移行できません。
- ライセンスについては、別途ご購入が必要です。
詳細はこちらをご覧ください。