Endpoint Central オンプレミス版 ナレッジベース

オンプレミス版とクラウド版の機能差異


確認ビルド: Endpoint Central 11.2.2300.30
このナレッジでは、Endpoint Central (Desktop Central) オンプレミス版とEndpoint Central Cloud(クラウド版)の機能差異についてまとめています。

Endpoint Central オンプレミス版とEndpoint Central Cloud(クラウド版)の機能差異


Endpoint Central (Desktop Central)オンプレミス版とクラウド版の特長

Endpoint Central (旧称Desktop Central)にはオンプレミス版とクラウド版があります。2023年11月現在、利用可能なEditionに差異があります。

クラウド版およびUEM Editionについて
クラウド版は2020年7月にZoho Corporationより Desktop Central Cloud としてリリースされ、2020年12月から日本でのサポートを開始しました。
2022年後半より製品上の表示を順次Endpoint Centralに切り替え、2023年に製品名をDesktop CentralからEndpoint Centralへ変更いたしました。
2023年6月より、Enterprise Editionに加えて、上位のUEM Editionの日本語でのサポートを開始いたしました。


製品機能の概要は製品ページをご覧ください。また、クラウド版に関するナレッジはEndpoint Central Cloudナレッジベースをご覧ください。

オンプレミス版とクラウド版それぞれの特長は以下の通りです。

  • オンプレミス版では、アップグレードのタイミングをコントロールできます。クラウド版は機能追加などのアップグレードが自動的に実行されます。
     
  • 新しいOSへのサポート開始はクラウド版・オンプレミス版でほぼ同時か、クラウド版が若干早い傾向にあります。
     
  • 一部機能がクラウド版で利用できないものの、オンプレミス版とクラウド版の機能差異は縮小傾向にあります。そのためご利用環境や運用方針に応じた利用をご検討ください。機能差異の詳細は以下の具体的な機能差異をご確認ください。
導入にかかる工数・費用
〇クラウド版は、サインインすればすぐに使い始めることができます(環境や規模によってはWindows Serverをご用意いただき、配信サーバーを設置する必要がある場合がございます)。
△オンプレミス版においては、Endpoint Centralをインストールするための Windows Server を用意する必要があります。

テレワーク端末やモバイルデバイスなど、社外の端末の管理
〇クラウド版では、そのままご利用いただけます。
△オンプレミス版では、DMZ環境にセキュアゲートウェイサーバー(有料オプション)を設置する必要があります。

仮想プライベートクラウド(VPC)環境や物理/仮想マシンなどのサーバーの管理
〇オンプレミス版の利用がおすすめです。
△クラウド版を利用する場合、通信に関して入念な検証が必要です。かならず評価版でご検証ください。

AWS EC2インスタンスなどパブリッククラウド環境の管理
〇オンプレミス版の利用がおすすめです。AWS上などパブリッククラウドのインスタンスにサーバーを構築することもできます。
△クラウド版を利用する場合、入念な検証が必要です。かならず評価版でご検証ください。

インターネット接続のない閉域ネットワーク環境の管理
〇オンプレミス版ではインターネット接続のない環境も管理できます。
×クラウド版では、インターネット接続できない環境を管理できません。


オンプレミス版とクラウド版のシステム構成の差異
  • Endpoint Central オンプレミス版では、Endpoint CentralをWindows Serverへインストールし、管理対象にエージェントをインストールすることが必須です。その他必要に応じて配信サーバー、セキュアゲートウェイサーバー、MS SQLサーバーを設置します。
    Endpoint Central Cloud(クラウド版)では、管理対象へのエージェントのインストールが必須で、必要に応じて配信サーバーを設置します(その他の要素は不要です)。
  • Endpoint Central Cloud(クラウド版)は、オンプレミス版におけるサーバーをクラウド上に移行した構成です。クラウドはZohoが運営するデータセンターでホストされ、Zohoが管理します。
  • パッチ管理において、オンプレミス版ではEndpoint Centralサーバーがファイルをダウンロードする一方、Endpoint Central Cloud(クラウド版)では各エージェント(および配信サーバー)がパッチファイルをダウンロードします。
  • Endpoint Central オンプレミス版、Endpoint Central Cloud(クラウド版)ともに、ネットワーク帯域消費を抑える必要のある場合は、配信サーバーを設置して対応します。そのため、クラウド版であってもWindows Serverが必要になるケースがあります。


オンプレミス版とクラウド版の具体的な機能差異
クラウド版とオンプレミス版の機能差異は、今後のアップデートにより変更になる場合があります。なお、◆で説明した項目は、クラウドの性質上オンプレミス版と同等の機能実装が不可能な項目です。
  • 管理対象:
    • ◆ エージェント/サーバー間の証明書認証はクラウド版ではご利用いただけません。
  • パッチ管理機能:
    • ◆ オンプレミス版では通常Endpoint Centralサーバーがパッチをダウンロードし、必要なコンピューターに配布します。一方でクラウド版では、基本的に各エージェントが直接ベンダーサイトからパッチをダウンロードし、インストールします(配信サーバー配下のWindowsエージェントのみ、配信サーバーがパッチをダウンロードして配布します)。帯域消費を抑えたい場合には、配信サーバーの設置が有効です(オンプレミス版でも有効な対策ですが、クラウド版では特に効果的です)。
    • ◆ クラウド版では、Windows 10 から 機能更新プログラムを使用した Windows 11 Enterprise Edition へのアップグレードは、クラウド版では配信サーバーの設置が推奨されます(ソフトウェア配布機能を使用することで、配信サーバーなしでも対応可能ですが、配布時の帯域消費が大きくなります)。
    • Rocky Linuxのパッチ管理は、2023年11月現在クラウド版のみ対応しています(11.2.2304.01以降のビルドにおいて、オンプレミス版でも利用可能になる予定です)。
  • ソフトウェア配布機能:
    • ◆ ソフトウェアリポジトリを設定するには、クラウド版の場合配信サーバーの設置を推奨します(配信サーバーを設置しない場合、パッケージの作成時にクラウドへソフトウェアをアップロードする必要があります。配布時の帯域消費が大きくなる恐れがあります)。
  • インベントリ管理機能:
    • クラウド版ではクエリレポートの作成はご利用いただけません。コンソール画面からは既定のレポートのみご利用いただけます。既定のレポート以外が必要な場合はサポートまでご相談ください。
  • レポート機能:
    • ◆ クラウド版ではADレポートをご利用いただけません。
    • クラウド版では、クエリレポートの作成はご利用いただけません。コンソール画面からは既定のレポートのみご利用いただけます。既定のレポート以外が必要な場合はサポートまでご相談ください。
  • リモート制御機能:
    • ◆ クラウド版のコミュニケーションツールは、テキストチャットのみご利用可能です(通話/ビデオ通話はご利用いただけません)。なお、クラウド版のリモート制御(画面共有)にはZoho Assistを内部的に使用しています(Endpoint Central Cloudのライセンスのみでご利用いただけます)
  • エージェントのインストール方法:
    • ◆ クラウド版では、コンソール画面からのプッシュインストールを利用する場合、配信サーバーが必須です。
    • クラウド版ではエージェントインストールの再試行回数を指定できません。
  • ドメインコントローラーとの同期:
    • ◆ クラウド版では、配信サーバーを設置しない場合、ADドメイン情報の同期はご利用いただけません。また、同期できるドメインコントローラーは1台のみとなります。
  • 連携機能:
    • ServiceDesk Plus Cloudとの連携について、利用可能な機能に差異があります。
    • クラウド版とServiceDesk Plusオンプレミス版の連携には対応していない場合があります。
      ServiceDesk Plusオンプレミス版のIT資産管理機能を利用する場合、 ServiceDesk Plus 11.3以降においてエージェントスキャンにはEndpoint Central エージェントが必要となりました。そのため、ServiceDesk Plus オンプレミス版の資産管理の対象(=Endpoint Centralオンプレミス版エージェントがインストール済みのコンピューター)においては、Endpoint Central Cloudエージェントをインストールすることができません
    • クラウド版では、追加アドオンはご利用いただけません。(エディションを変更する必要があります)
  • その他:
    • ◆ クラウド版では、OS配布機能を利用する場合に配信サーバーが必須です。
    • クラウド版では、SMS通知はご利用いただけません。
    • オンプレミス版では、通知機能を使用する場合にメールサーバー(クラウドのメールサービス等でも可能)が必要です。
    • ◆ クラウド版では、リモートDBアクセスはご利用いただけません。
    • ◆ クラウド版では、オフライン環境(閉域ネットワーク)での使用には対応しておりません。
    • オンプレミス版で社内ネットワーク以外に接続されたデバイスを管理する場合、DMZ上にリバースプロキシとして動作する「セキュアゲートウェイサーバー」を設置する必要があります。
    • 管理対象デバイスが5000台を超える場合、オンプレミス版ではMS SQLサーバーが必要になります。
    • 管理対象デバイスが2万台を超える大規模環境の管理をご検討の場合は、別途ご相談ください。
    • プロキシ設置環境下でご利用の場合、かならず評価版を使用してご検証ください。環境によってはクラウド版が利用できない可能性があります。
    • オンプレミス版では、Windows/Macコンピューターのモバイルデバイスとしての管理(モダンマネジメント)にはライセンス上の制限から対応しておりません(モダンマネジメント機能はEndpoint Central UEM Editionにおいてのみ可能です。今後日本語でのサポート開始を予定しています)。

なお、Endpoint Central Cloudはインターネット側からアクセス可能なことから、リモート拠点の管理や、社外からコンソール画面へのアクセスが簡単にできるメリットがあります。要件に合わせてオンプレミス版/クラウド版をお選びください。
 


オンプレミス版からクラウド版への移行について

Endpoint Central オンプレミス版からクラウド版に移行することができます。その際は、以下の点にご注意ください。

  • Endpoint Centralオンプレミス版とクラウド版では、ご利用いただける機能に差異がございます。先にクラウド版をご評価いただき、よくご確認のうえで移行をご検討ください。
  • Windowsエージェントを移行することができますが、配信サーバーやリモートオフィスは再度構築する必要があります。
  • これまでの構成、設定やサーバー内のDBに保存されたデータ等は移行できません。
  • ライセンスについては、別途ご購入が必要です。

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