OpManager ナレッジベース

ワークフローの活用


OpManagerの機能の1つである、ワークフローの活用方法について説明します。

ワークフローとは?

ワークフローとは、OpManager上でアラートが発報された場合に、復旧作業又は一次対応を自動で処理できる機能です。
また障害が発生していない場合でも、ワークフローを定期的にスケジュール実行することができるため、
ワークフロー自体を1つの監視項目として利用することも可能です。

ワークフロー内で実行できるアクションは多岐に渡るため、使いこなせば非常に幅広いタスクを自動実行することができ、業務の削減につながります。

ワークフローの例

  • Windowsサービスが停止した際に、システムの再起動を自動で行い復旧する
  • 特定のディレクトリの容量が圧迫された際に、古いファイルの削除を自動で行い容量を確保する

本ページ下部で作成例をご紹介しております。

ワークフロー作成の流れ

作成画面への遷移

OpManagerの画面に表示されているタブより、[ワークフロー]に移動

 

作成方法の種類と手順

新規作成する場合

[新規ワークフロー]を選択

既存のワークフローを編集する場合

表示されているワークフローを選択

既存のワークフローをベースにして、新規にワークフローを作成する場合

ベースにするワークフローの[アクション]タブから[コピー]を選択

XMLファイルからインポートする場合

[インポート]を選択
※一度作成したワークフローは、[アクション]タブの[エクスポート]より、XML形式でエクスポートが可能です。

ワークフローの編集

編集画面に遷移すると、左側に実行可能なアクション一覧パネルが表示されます。(画像の赤枠参照)

 

画面上の緑色の円形マークがワークフローの始点になります。
ここから出ている矢印に向かって、左側のパネルから実行するアクションをドラッグすることで、アクションの流れを定義します。

アクションのタイプ

ワークフローのアクションのタイプは2種類存在します。

分岐型

実行結果の成否によって、処理が分岐するアクションです。画面上ではひし形で表示されます。
Yes(はい)の矢印の先には処理が成功した場合のアクションを、No(いいえ)の矢印の先には処理が失敗した場合のアクションを配置します。

非分岐型

実行の失敗が基本的に発生しないアクションです。
※非分岐型のアクションからは赤丸と矢印が伸びますが、続きのアクションは矢印のほうに配置してください

アクション一覧

装置

ワークフローの実行対象となっている装置上で行うアクションです。

  • 時間遅延の追加 : 次のアクションの実行を指定した時間遅延して実行します。
  • DNSルックアップ
  • 装置へのPing
  • システムの再起動
    ※Windows OS限定/WMI認証が必要
  • システムの停止
    ※Windows OS限定/WMI認証が必要
  • Traceroute
Windowsサービス

Windowsサービスに関連するアクションです。
※Windows OS限定/WMI認証が必要

  • アクティブなサービスの取得
  • サービスの中断
  • サービスの再起動
  • サービスの再開
  • サービスの開始
  • サービスの停止
  • サービスのチェック
プロセス

プロセスに関連するアクションです。
※Windows OSの場合はWMI認証が必要
※UNIX系OSの場合はCLI認証が必要

  • すべてのプロセスのリスト化:実行中の全てのプロセスを表示します。
  • CPU使用によるプロセス:実行中の全てのプロセス及び、各プロセスが使用しているCPU使用率を表示します。
  • ディスク読み込みによるプロセス:実行中の全てのプロセス及び、各プロセスのディスク読み込み率を表示します。
  • ディスク書き込みによるプロセス:実行中の全てのプロセス及び、各プロセスのディスク書き込み率を表示します。
  • メモリー使用によるプロセス:実行中の全てのプロセス及び、各プロセスのメモリー使用率を表示します。
  • プロセスの開始
  • プロセスの停止
  • プロセスのチェック
HTTPとFTP

URL(HTTP)及びFTPサーバー上で実行するアクションです。

  • URLのチェック:指定したURLに到達可能かどうかを確認します。
  • ファイルの削除(FTP)
  • ファイルの移動(FTP)
  • ファイルのリネーム(FTP)
  • ファイルのアップロード(FTP)
  • HTTP POSTデータ/結果:対象のURLにおいてGETまたはPOSTリクエストを送信し、結果を表示します。
ファイル

Windows OS上のファイル操作に関連するアクションです。
※Windows OS限定/WMI認証が必要

  • ファイルのチェック:指定されたファイルが存在するかを確認します。
  • ファイルの圧縮:指定されたファイルを圧縮します。
  • 古いファイルの圧縮:指定した期間より古いファイルを全て圧縮します。
  • ファイルのコピー
  • ファイルの削除
  • 古いファイルの削除:指定した期間より古いファイルを全て削除します。
  • ファイルサイズの取得:指定したファイルのサイズが、設定する条件に合致するかどうかを確認します。
  • ファイルの移動
  • 古いファイルの移動:指定した期間より古いファイルを全て移動します。
  • ファイルのリネーム
  • ファイルの解凍
フォルダー

Windows OS上のファイル操作に関連するアクションです。
※Windows OS限定/WMI認証が必要

  • ドライブの空き容量のチェック:指定したドライブの空き容量が、設定する条件に合致するかどうかを確認します。
  • フォルダー有無のチェック
  • フォルダーの圧縮
  • フォルダーのコピー
  • フォルダーの作成
  • フォルダーの削除
  • フォルダーサイズの取得:指定したフォルダーの空き容量が、設定する条件に合致するかどうかを確認します。
  • ファイルのリスト化:指定されたフォルダー内に存在するファイル一覧を表示します。
  • フォルダーのリネーム
  • フォルダーの解凍
VMware

VMwareに関連するアクションです。
※VMware認証が必要

  • VMのパワーオフ
  • VMのパワーオン
  • ゲストOSの再起動
  • データストアの更新
  • VMのリセット
  • ゲストOSの停止
  • ゲストOSのスタンバイ
  • VMの一時停止
OpManager

OpManager上で行われるアクションです。
※アラート関連は、ワークフローのトリガーがアラートである場合限定の機能です

  • アラートのチェック:ワークフローのトリガーとなったアラートを現在のユーザーに割り当てます、
  • アラートのメモの追加:ワークフローのトリガーとなったアラートにメモを追加します。
  • 装置ステータスのチェック:指定した装置の可用性を確認します。
  • アラートのクリア:ワークフローのトリガーとなったアラートをクリアします。
  • アラートの削除:ワークフローのトリガーとなったアラートを削除します。
  • メンテナンス開始:指定した装置を非管理にします。
  • メンテナンス終了:指定した装置を管理状態にします。
  • 装置の再ディスカバリー:指定した装置の再ディスカバリーを行います。
  • アラートの確認解除:ワークフローのトリガーとなったアラートに割り当てられている技術者を取り消し、未割り当ての状態に戻します。
外部アクション

外部ツールとの連携や、スクリプト実行に関連するアクションです。

  • 他のワークフローの実行
  • Linuxスクリプトの実行:記述したLinuxスクリプトを実行します。
    ※CLI認証が必要
  • Windowsスクリプトの実行:記述したWindowsスクリプトを実行します。
    ※WMI認証が必要
  • チケットログの作成(Remedy):Remedyを利用している場合、指定した内容のチケットを作成します。
  • チケットログの作成(SDP):Service Desk Plusを利用している場合、指定した内容のチケットを作成します。
  • メール送信:指定した内容のメールを送信します。
  • ポップアップメッセージ送信:指定したポップアップメッセージを送信します。
    ※Windows OS限定
    ※OpManagerインストールサーバーと同一ワークグループに存在する装置限定
    ※WMI認証が必要
  • SMS送信:指定した宛先にSMSを送信します。
NCMアクション

Network Configuration Managerオプションを利用している場合、NCM関連のアクションを実行できます。

  • バックアップ:デバイス設定ファイルのバックアップを取得します。
  • コマンド実行:CLIコマンドを実行します。
  • テンプレートの実行:NCMモジュールのテンプレートを実行します。
  • 最新N個の変更を取得:直近の指定した数の設定変更を取得します。

実行する装置及び条件の設定

ワークフローの編集が完了したら、[次のステップ]を選択します、

装置の選択

ワークフローを実行する装置を選択します。

トリガーの設定

[トリガーを設定します]で、ワークフローの実行条件を設定します。

アラートをトリガーにして実行

OpManager上で発報されるアラートの発報が実行条件として設定されます。
ここでは、実行条件となるアラートの種類を選択します。

スケジュールで実行

OpManager上で発報されるアラートに関係なく、ワークフローのスケジュール実行を行います。
ここでは、実行する日時を設定します。

詳細条件の設定

[Profile]では、ワークフローを実行する時間帯の設定や、遅延実行/繰り返し実行など
ワークフローの実行に関する詳細な設定が可能です。

全ての条件を設定し終えたら、[保存]を選択して作成を完了します。

 

ワークフローの作成例

Windowsサービスが停止した際に、システムの再起動を行うワークフロー

処理の流れ

  1. Windowsサービスダウンのアラートを検知したら、"メンテナンスの開始"タスクにより、対象の装置をメンテナンス(非管理)状態にします。
  2. 対象の装置にて、"システムの再起動”タスクにより、システムの再起動を行います。
  3. システムの再起動は多少の時間がかかることが予想されるため、"時間遅延の追加"により、次のタスクの実行を遅らせます。
  4. "装置へのping"タスクにより、対象装置の再起動が成功したかどうかを確認します。
    ※pingの応答が無かった場合、装置の再起動に失敗したとみなし、別途アラートを発生させてワークフローの実行を終了します。
  5. "サービスチェック"タスクにより、ダウンしていたWindowsサービスが稼働しているかどうかを再び確認します。
    ※サービスが稼働していない場合は、システムの再起動で復旧しなかった旨をアラートのメモに記載し、ワークフローの実行を終了します。
  6. サービスの稼働が確認できた場合、ワークフローのトリガーとなったアラートに再起動で復旧した旨のメモを追加した上で、アラートをクリアします。