ワークフローの活用
作成日:2019年10月31日 | 更新日:2022年3月31日
OpManagerの機能の1つである、ワークフローの活用方法について説明します。
ワークフローとは?
ワークフローとは、OpManager上でアラートが発報された場合に、復旧作業又は一次対応を自動で処理できる機能です。
また障害が発生していない場合でも、ワークフローを定期的にスケジュール実行することができるため、
ワークフロー自体を1つの監視項目として利用することも可能です。
ワークフロー内で実行できるアクションは多岐に渡るため、使いこなせば非常に幅広いタスクを自動実行することができ、業務の削減につながります。
ワークフローの例
- Windowsサービスが停止した際に、システムの再起動を自動で行い復旧する
- 特定のディレクトリの容量が圧迫された際に、古いファイルの削除を自動で行い容量を確保する
本ページ下部で作成例をご紹介しております。
ワークフロー作成の流れ
作成画面への遷移
OpManagerの画面に表示されているタブより、[ワークフロー]に移動
作成方法の種類と手順
新規作成する場合
[新規ワークフロー]を選択既存のワークフローを編集する場合
表示されているワークフローを選択
既存のワークフローをベースにして、新規にワークフローを作成する場合
ベースにするワークフローの[アクション]タブから[コピー]を選択
XMLファイルからインポートする場合
[インポート]を選択※一度作成したワークフローは、[アクション]タブの[エクスポート]より、XML形式でエクスポートが可能です。
ワークフローの編集
編集画面に遷移すると、左側に実行可能なアクション一覧パネルが表示されます。(画像の赤枠参照)
画面上の緑色の円形マークがワークフローの始点になります。
ここから出ている矢印に向かって、左側のパネルから実行するアクションをドラッグすることで、アクションの流れを定義します。
アクションのタイプ
ワークフローのアクションのタイプは2種類存在します。
分岐型
実行結果の成否によって、処理が分岐するアクションです。画面上ではひし形で表示されます。
Yes(はい)の矢印の先には処理が成功した場合のアクションを、No(いいえ)の矢印の先には処理が失敗した場合のアクションを配置します。
非分岐型
実行の失敗が基本的に発生しないアクションです。
※非分岐型のアクションからは赤丸と矢印が伸びますが、続きのアクションは矢印のほうに配置してください
アクション一覧
装置
ワークフローの実行対象となっている装置上で行うアクションです。
- 時間遅延の追加 : 次のアクションの実行を指定した時間遅延して実行します。
- DNSルックアップ
- 装置へのPing
- システムの再起動
※Windows OS限定/WMI認証が必要 - システムの停止
※Windows OS限定/WMI認証が必要 - Traceroute
Windowsサービス
Windowsサービスに関連するアクションです。
※Windows OS限定/WMI認証が必要
- アクティブなサービスの取得
- サービスの中断
- サービスの再起動
- サービスの再開
- サービスの開始
- サービスの停止
- サービスのチェック
プロセス
プロセスに関連するアクションです。
※Windows OSの場合はWMI認証が必要
※UNIX系OSの場合はCLI認証が必要
- すべてのプロセスのリスト化:実行中の全てのプロセスを表示します。
- CPU使用によるプロセス:実行中の全てのプロセス及び、各プロセスが使用しているCPU使用率を表示します。
- ディスク読み込みによるプロセス:実行中の全てのプロセス及び、各プロセスのディスク読み込み率を表示します。
- ディスク書き込みによるプロセス:実行中の全てのプロセス及び、各プロセスのディスク書き込み率を表示します。
- メモリー使用によるプロセス:実行中の全てのプロセス及び、各プロセスのメモリー使用率を表示します。
- プロセスの開始
- プロセスの停止
- プロセスのチェック
HTTPとFTP
URL(HTTP)及びFTPサーバー上で実行するアクションです。
- URLのチェック:指定したURLに到達可能かどうかを確認します。
- ファイルの削除(FTP)
- ファイルの移動(FTP)
- ファイルのリネーム(FTP)
- ファイルのアップロード(FTP)
- HTTP POSTデータ/結果:対象のURLにおいてGETまたはPOSTリクエストを送信し、結果を表示します。
ファイル
Windows OS上のファイル操作に関連するアクションです。
※Windows OS限定/WMI認証が必要
- ファイルのチェック:指定されたファイルが存在するかを確認します。
- ファイルの圧縮:指定されたファイルを圧縮します。
- 古いファイルの圧縮:指定した期間より古いファイルを全て圧縮します。
- ファイルのコピー
- ファイルの削除
- 古いファイルの削除:指定した期間より古いファイルを全て削除します。
- ファイルサイズの取得:指定したファイルのサイズが、設定する条件に合致するかどうかを確認します。
- ファイルの移動
- 古いファイルの移動:指定した期間より古いファイルを全て移動します。
- ファイルのリネーム
- ファイルの解凍
フォルダー
Windows OS上のファイル操作に関連するアクションです。
※Windows OS限定/WMI認証が必要
- ドライブの空き容量のチェック:指定したドライブの空き容量が、設定する条件に合致するかどうかを確認します。
- フォルダー有無のチェック
- フォルダーの圧縮
- フォルダーのコピー
- フォルダーの作成
- フォルダーの削除
- フォルダーサイズの取得:指定したフォルダーの空き容量が、設定する条件に合致するかどうかを確認します。
- ファイルのリスト化:指定されたフォルダー内に存在するファイル一覧を表示します。
- フォルダーのリネーム
- フォルダーの解凍
VMware
VMwareに関連するアクションです。
※VMware認証が必要
- VMのパワーオフ
- VMのパワーオン
- ゲストOSの再起動
- データストアの更新
- VMのリセット
- ゲストOSの停止
- ゲストOSのスタンバイ
- VMの一時停止
OpManager
OpManager上で行われるアクションです。
※アラート関連は、ワークフローのトリガーがアラートである場合限定の機能です
- アラートのチェック:ワークフローのトリガーとなったアラートを現在のユーザーに割り当てます、
- アラートのメモの追加:ワークフローのトリガーとなったアラートにメモを追加します。
- 装置ステータスのチェック:指定した装置の可用性を確認します。
- アラートのクリア:ワークフローのトリガーとなったアラートをクリアします。
- アラートの削除:ワークフローのトリガーとなったアラートを削除します。
- メンテナンス開始:指定した装置を非管理にします。
- メンテナンス終了:指定した装置を管理状態にします。
- 装置の再ディスカバリー:指定した装置の再ディスカバリーを行います。
- アラートの確認解除:ワークフローのトリガーとなったアラートに割り当てられている技術者を取り消し、未割り当ての状態に戻します。
外部アクション
外部ツールとの連携や、スクリプト実行に関連するアクションです。
- 他のワークフローの実行
- Linuxスクリプトの実行:記述したLinuxスクリプトを実行します。
※CLI認証が必要 - Windowsスクリプトの実行:記述したWindowsスクリプトを実行します。
※WMI認証が必要 - チケットログの作成(Remedy):Remedyを利用している場合、指定した内容のチケットを作成します。
- チケットログの作成(SDP):Service Desk Plusを利用している場合、指定した内容のチケットを作成します。
- メール送信:指定した内容のメールを送信します。
- ポップアップメッセージ送信:指定したポップアップメッセージを送信します。
※Windows OS限定
※OpManagerインストールサーバーと同一ワークグループに存在する装置限定
※WMI認証が必要 - SMS送信:指定した宛先にSMSを送信します。
NCMアクション
Network Configuration Managerオプションを利用している場合、NCM関連のアクションを実行できます。
- バックアップ:デバイス設定ファイルのバックアップを取得します。
- コマンド実行:CLIコマンドを実行します。
- テンプレートの実行:NCMモジュールのテンプレートを実行します。
- 最新N個の変更を取得:直近の指定した数の設定変更を取得します。
実行する装置及び条件の設定
ワークフローの編集が完了したら、[次のステップ]を選択します、
装置の選択
ワークフローを実行する装置を選択します。
トリガーの設定
[トリガーを設定します]で、ワークフローの実行条件を設定します。アラートをトリガーにして実行
OpManager上で発報されるアラートの発報が実行条件として設定されます。
ここでは、実行条件となるアラートの種類を選択します。
スケジュールで実行
OpManager上で発報されるアラートに関係なく、ワークフローのスケジュール実行を行います。
ここでは、実行する日時を設定します。
詳細条件の設定
[Profile]では、ワークフローを実行する時間帯の設定や、遅延実行/繰り返し実行などワークフローの実行に関する詳細な設定が可能です。
全ての条件を設定し終えたら、[保存]を選択して作成を完了します。
ワークフローの作成例
Windowsサービスが停止した際に、システムの再起動を行うワークフロー
処理の流れ
- Windowsサービスダウンのアラートを検知したら、"メンテナンスの開始"タスクにより、対象の装置をメンテナンス(非管理)状態にします。
- 対象の装置にて、"システムの再起動”タスクにより、システムの再起動を行います。
- システムの再起動は多少の時間がかかることが予想されるため、"時間遅延の追加"により、次のタスクの実行を遅らせます。
- "装置へのping"タスクにより、対象装置の再起動が成功したかどうかを確認します。
※pingの応答が無かった場合、装置の再起動に失敗したとみなし、別途アラートを発生させてワークフローの実行を終了します。 - "サービスチェック"タスクにより、ダウンしていたWindowsサービスが稼働しているかどうかを再び確認します。
※サービスが稼働していない場合は、システムの再起動で復旧しなかった旨をアラートのメモに記載し、ワークフローの実行を終了します。 - サービスの稼働が確認できた場合、ワークフローのトリガーとなったアラートに再起動で復旧した旨のメモを追加した上で、アラートをクリアします。