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【HA構成】高可用性(HA)モデルの仕様変更(ビルド13220~)とその影響のご案内


Password Manager Pro(以降、PMP)ビルド13220にて、製品にビルトインのPostgre SQLを使用した場合の高可用性(HA)モデルを新たなモデルに変更しました。
それに伴い、旧HAモデル(13111以前までのHAモデル)は廃止いたします。

  • 現在、旧HAモデルを使用している場合は、速やかに新HAモデルへ移行することを強く推奨いたします。
  • HA機能を利用する場合、別途冗長化ライセンスの購入が必要です。冗長化ライセンスについては、契約の際にご連絡いただいた弊社営業担当までご連絡をお願いいたします。
    ※ビルド13111以前の環境で、冗長化ライセンスを購入済みかつ旧HAモデルを構築済みの場合、新規にライセンスをご購入いただく必要はございません。既存のライセンスをそのままお使いただけます。

本ナレッジでは、以下の項目についてご説明します。

目次

旧HAモデルの廃止理由

これまでPMPにおける高可用性モデルでは、「RubyRep」をレプリケーションツールとして使用していました。「Rubyrep」は近年更新・開発が行われていないため、セキュリティ脆弱性などのリスクが高まっていることを考慮し、より安全で持続可能なHAモデルの提供を目的に、「RubyRep」を使用した旧HAモデルを廃止いたします。

旧HAモデルとの違い

1.HA機能を構成するサーバー数の違い

旧HAモデルでは、プライマリとセカンダリの2つのサーバーにて構成されていました。

新HAモデルの推奨構成は、プライマリおよびセカンダリに加え、リードオンリー(読み取り専用)サーバーを含めた3つのサーバーによって構成されます。詳細は、こちらのヘルプドキュメントを参照してください。

2.データベースの構成の違い

旧HAモデルでは、プライマリ、セカンダリサーバー内にそれぞれデータベースが存在し、セカンダリのデータベースがリアルタイムでプライマリのデータベースと同期する形を取っていました。

新HAモデルでは、プライマリサーバーのデータベースをプライマリとセカンダリで共有します。プライマリ内のデータベースはPMPアプリケーションとは独立したサービス(Password Manager Pro PostgreSQL)として構成されます。
また、リードオンリーサーバーのデータベースはプライマリ、セカンダリの共有データベースとリアルタイムに同期します。

3.レプリケーションツール

旧HAモデルにて使用していた「RubyRep」に代わり、新HAモデルではPostgreSQLの標準機能の「ストリーミングレプリケーション」を使用します。

新HAモデルの3種類の構成方式

新HAモデルのセットアップ手順は、こちらを確認してください。

1.プライマリ、セカンダリおよびリードオンリーサーバー

新HAモデルを使用する場合、本方式を推奨いたします。
本方式は、負荷分散、冗長性、および読み取り最適化アクセスの利点を組み合わせ、すべての階層での高可用性とスケーラビリティを確保します。

本モデルでは既存のリードオンリーサーバーとは異なり、リードオンリーサーバーとして構築可能な台数は1台です。
既存のリードオンリーサーバー構成については、こちらを確認してください。
推奨モデルを構築することが難しい場合、下記のどちらかの代替モデルを使用することが可能です。
2.プライマリとリードオンリーサーバー

本方式は、バックアップサーバーや災害復旧といったケースでの使用を想定しています。プライマリサーバーを安全に保ちつつ、書き込み操作に集中できるように、読み取りスケーリングを可能とします。
プライマリサーバーがダウンした場合、リードオンリーサーバーから特権IDへ継続してアクセス可能です。ただし、リードオンリーサーバーから書き込み操作はできません。

3.プライマリとセカンダリサーバー

本方式は、負荷分散およびプライマリサーバーのフェイルオーバー管理に最適です。ただし、共有データベースがダウンした場合、製品が使用不可となります。

旧HAモデルを利用中の環境をアップグレードする際の注意点

旧HAモデルをビルド13111以前で構築している場合、アップグレード前に既存の設定を解除する必要があります。
詳細は、【HA構成】旧HAモデルを利用中の環境をアップグレードする際の注意点を確認してください。

新HAモデルへの移行方法

  1. 旧HAモデルをビルド13111以前のビルドで構築している場合、アップグレード前に既存の設定を解除します。
    手順は【HA構成】ビルド13111以前のHA構成から、ビルド13220以降のHA構成に移行する際の注意点 を確認してください。
  2. PMPを最新ビルドにアップグレードします。アップグレード手順については以下のページを確認してください。
  3. 新HAモデルをセットアップします。詳細は、【HA構成】ビルド13220以降におけるセットアップ手順(PostgreSQL の場合) を確認してください。

ライセンスについて

HA機能を利用する場合、別途冗長化ライセンスの購入が必要です。冗長化ライセンスについては、契約の際にご連絡いただいた弊社営業担当までご連絡をお願いいたします。
※ビルド13111以前の環境で、冗長化ライセンスを購入済みかつ旧HAモデルを構築済みの場合、新規に冗長化ライセンスをご購入いただく必要はございません。既存のライセンスをそのままお使いただけます。

また、各サーバーには以下の通りにライセンスを適用してください。

  • プライマリサーバー:製品ライセンス
  • セカンダリおよびリードオンリーサーバー:冗長化ライセンス

経過措置

上記の廃止理由を踏まえ、新HAモデルへの移行を強く推奨いたします。すぐに新HAモデルへ移行することが難しい場合、以下の経過措置が適用されます。

経過措置の対象となる環境

2025年10月29日時点(ビルド13220のリリース日時点)で、以下の条件を満たしている環境。

  • 冗長化ライセンスを購入済みであること
  • 13111以前のビルドで、旧HAモデルを使用していること

経過措置1:ビルド13220での旧HAモデルの設定手順の影響

ビルド13220以降、デフォルトでは旧HAモデルは利用できません。
経過措置の対象の環境に限り、ビルド13220における旧HAモデル構築のための設定ファイル、手順を提供します。
保守サポート窓口までお問い合わせください。

※ビルド13220よりも後にリリースするビルドでの旧HAモデルの構成可否は未定です。今後リリースするビルドでは旧HAモデルは構成できなくなる可能性があります。

経過措置2:旧HAモデルに対する一部サポートの提供

以下の内容に限り、サポートを継続いたします。

対応内容:

  • 基本的なトラブルシューティング
  • 不具合等が発生した場合のログ調査
  • 不具合等が発生した場合の問題の切り分け
  • 一時的な回避策がある場合、その提供

上記サポートの終了日:

  • ビルド13111未満のビルドで旧HAモデルを運用中の場合:該当ビルドのサポート終了日
  • ビルド13111以降のビルドで旧HAモデルを運用中の場合:ビルド13111のサポート終了日

各ビルドのサポート終了日はこちらから確認してください

注:旧HAモデルに対する修正は、修正パッチの提供を含めて行いません。
上記の対応内容では不具合等の解消が困難な場合、新HAモデルへ移行いただいたのちに調査を行います。

トラブルシューティング

新HAモデルに関するトラブルシューティングはこちらから確認してください。

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